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「あれんじ」 2016年3月5日号

【慈愛の心 医心伝心】
【第52回】「女性のかかりつけ医」をめざして

女性医療従事者によるリレーエッセー【第52回】

【第52回】「女性のかかりつけ医」をめざして
医療法人内野会 
うちの産婦人科
  
院長 内野 貴久子

 私は産婦人科医なので、もちろん患者さんは女性ばかりです。クリニックには、3歳の女の子から100歳近いおばあちゃんまで、広い年齢層の女性が来られます。

 女性には子宮や卵巣があるおかげでさまざまな機能がある一方で、男性にはない病気が出てきます。命には関わらなくても生活の質を下げてしまう病気、デリケートな部分なのでなかなか人には言えない病気もたくさん。産婦人科は行きづらいからと、ひどい状態になって来られる患者さんもいます。

 でもやっぱり産婦人科って行きづらい。未婚の女性はもちろん、出産を何度も経験した年配の女性でも、確かにそうだろうなと私も思います。

 その上、女性はどうしても自分のことは後回しにして、我慢してしまう。働く女性であれば、家事と仕事を両立しなくてはならず、男性に負けないように仕事をするにはなかなか休みにくいし、きつくても我慢して頑張ってしまう。

 でも簡単なことで劇的に解決してしまう方法があったりするのです。「もっと早く受診すればよかった!」とよく言われます。

 少しでも多くのそういう女性たちの手助けができればと思うのですが、そのためにはまず、女性が産婦人科を受診しやすい環境を作らなければと常々思います。

 ちょっとしたことでも気軽に受診できるようなクリニックでありたいし、そういうかかりつけ医でありたい。どうすればそうなれるのか、これからもずっと模索しながら頑張っていきたいと思っています。