【元気!の処方箋】
“元気で長生き”目指し 防ごう! ロコモティブシンドローム
最近よく聞くようになったロコモティブシンドローム(ロコモ)。しかし、詳しくは知らないという人も多いのではないでしょうか。 そこで今回は、どういう症状を指し、どうすれば防げるのか、また予防する意義などについてお伝えします。 |
【はじめに】 |
日本は世界にさきがけて超高齢社会を迎えています。これに伴い運動器(メモ)の障害も増加しており、入院して治療が必要となる運動器の障害は50歳以降に多発しています。 |
【メモ】 運動器とは?〜体を動かす仕組み |
普段何気なく動かしている「体」ですが、私たちが自分の体を自由に動かすことができるのは、骨、関節、筋肉や神経で構成される「運動器」の働きによるものです。 |
@なぜ今ロコモ? 【平均寿命と健康寿命】 |
日本人の平均寿命は男性が約80歳、女性が約87歳。日本は世界トップラスの長寿国です。 |
【介護の要因】 |
【図】
要支援・要介護になった原因 ※平成25年厚生労働省国民生活基礎調査より ロコモパンフレット2015年度版 要支援者とは「要介護者となる可能性があり、身支度や家事など日常生活に支援が必要な人」のこと。要介護者は「身体または精神上の障害によって入浴や排泄、食事といった日常生活の基本的な行動について継続して介護を必要とする人」のことです。 |
【ロコモの診断(ロコチェック)】
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【介護の現状と問題点】 |
日本国内で要支援・要介護者と認定された人は、平成24年度末で約561万人となっており、平成13年度末から約263万人も増加しています。 |
Aロコモの要因 |
ロコモの原因にはさまざまなものが挙げられますが、なかでも「骨粗しょう症」「変形性関節症」「変形性脊椎症」の3つの疾患が3大要因として位置づけられています。 |
Bロコモの治療と予防 |
【ロコトレその1】
開眼片脚立ち ●左右1分間ずつ、1日3回行いましょう。 「開眼片脚立ち」は「ダイナミックフラミンゴ体操」とも言われ、1分間の片脚起立は53分間の歩行に匹敵し、大腿骨頚部の骨密度が増強し、転倒予防に効果的です。 「老化は誰も逆らえないんだから、ロコモは仕方がないこと」なんて決め込んでいませんか? 実は、早いうちから対策を行うことでロコモを予防することができ、健康寿命を延ばすことができるんです。 |
【ロコトレその2】
スクワット ●深呼吸をするペースで、5〜6回繰り返します。これを1日3回行いましょう。 ●支えが必要な人は、机に手や指をついて行いましょう。 ●椅子に腰かけるように、お尻をゆっくり下ろします。 ●お尻を軽く下ろすところから始めて、膝は曲がっても90度を超えないようにします。 ●安全のために椅子やソファーの前で行いましょう。 「スクワット」は大腿部や腰の筋力強化につながります。 |
執筆いただいたのは |
熊本大学医学部附属病院
リハビリテーション科 冨口 若菜 助教 ・日本整形外科学会専門医 ・日本整形外科学会認定運動器リハビリテーション医 ・日本体育協会公認スポーツドクター |