【元気!の処方箋】
あなたもきっとやめられる! 禁煙の道、教えます
受動喫煙を含め、喫煙が健康に害を及ぼすことは広く知られています。しかし、「それでもやっぱりやめられない」という人たちもいます。 そこで今回は、喫煙が体に及ぼす影響とともに自力禁煙のコツや、保険診療で受けることができる禁煙治療について紹介します。 |
【喫煙が体に及ぼす影響】すぐ水に溶ける煙、有害物質は全身に |
【図1】
たばこの煙に含まれている化学物質の一部の例と 相当する身近な物質 出典 UICC:たばこの煙から子どもたちを守るには 喫煙が影響する病気といえばすぐに肺がんや、以前は肺気腫といわれたCOPD(慢性閉塞性肺疾患)が浮かびます。 |
空気中に漂う「環境たばこ煙」 年間6800人が受動喫煙で死亡 |
【図2】
副流煙の方が多い有害物質の例 (数字は主流煙に対する値) 喫煙は、本人の健康を害するだけではありません。 |
40%の子どもが受動喫煙の被害に |
換気扇の下などで吸ったり、空気清浄機を作動させたり、「家族の迷惑にならないように工夫している」と話す人もいますが、これらに効果は望めません。 |
【メモ】たばこ煙からのPM2.5 規制値を大きく上回ることも |
日本への越境汚染に敏感になっている人も多いPM2.5。実は、たばこの煙からも出ています。日本のPM2.5の環境基準は1日当たり平均35㎍/㎥。その倍の70が屋外の暫定規制値ですが、自由に喫煙できる混み合う店舗内では700前後、自動車内で2人喫煙すれば1600と、規制値を大きく上回ります。 |
【禁煙にチャレンジ!】自力で、禁煙外来で、あなたに合った方法で |
自分のため、家族のためにも、禁煙したいと考えている人は多いはず。しかし、それが難しいのは、ニコチン依存症になっているためです。吸わない時間が続くとイライラし、吸えばホッとする。その繰り返しが毎日の喫煙本数になっているわけです。 |
【自力禁煙】自己流ではなく正しい方法で成功を |
自力禁煙のポイントを知ると、自己流禁煙より楽に禁煙できます。 |
【禁煙外来】禁煙補助薬を使い3カ月で禁煙 |
禁煙外来では、患者さんの喫煙習慣や経歴、禁煙したい理由やその気持ちの強さなどを聞き、カウンセリングを行いながら、禁煙補助薬を使って禁煙をサポートします。 |
【うまく続き始めたら】 |
うまく禁煙が続き始めても油断は禁物です。酒席などでつい1本をもらうと、すぐに喫煙が再発してしまいます。喫煙は依存症という病気であることを忘れず、もらいたい気分が湧くのは自然なことと受け止めつつ、その気分には従わないことが大事です。 |
話を聞いたのは |
たかの呼吸器科内科クリニック
高野 義久 院長 くまもと禁煙推進フォーラム副代表 1989年熊本大学医学部卒業後、熊本大学医学部附属病院第一内科、済生会熊本病院循環器内科、熊本労災病院呼吸器内科副部長などを経て、2000年たかの呼吸器科内科クリニック院長。 日本内科学会(総合内科専門医)、日本呼吸器学会(専門医)、日本禁煙学会(認定専門指導者) |