【元気!の処方箋】
進化している 乳がん治療
乳がんについて正しい知識を広め、早期発見・早期診断・早期治療の大切さを伝え促すピンクリボン活動は、よく知られるようになってきました。10月は特に「ピンクリボン月間」として、さまざまな啓発活動も行われています。 そこで今回は、進化している乳がん治療についてお伝えします。 |
【はじめに】 |
乳がんは増加しており、女性12人に1人が発症すると計算されます。 |
【遺伝性乳がんと予防的乳房切除術】保険承認はされていないが、倫理的には問題ないとされている予防的乳房切除術 |
女優アンジェリーナ・ジョリーさんが一昨年、ニューヨークタイムズ紙にコラムを書かれました。 |
【乳房再建術】大きく分けて2つの方法 「シリコン製」と「体の一部」 |
【図1】乳房再建術
女性にとって、乳がん根治手術のため乳房を切除してしまうことは、身体的、心理的に非常に大きな喪失となります。先のジョリーさんも予防的な乳房切除後には乳房再建術を受けています。 |
【薬物療法の進歩】重要な薬物療法の選択や併用 |
【図2】狙いを定めた個別化乳がん薬物療法
乳がんは、「ホルモン受容体」と「HER2(ハーツー)」という2つの分子が陽性かどうか、そしてその組み合わせによって性質を分類することができます。 |
治療を支える システムづくりも大事 |
一方、通常の化学療法は、吐き気、だるさ、脱毛、細菌に対する抵抗力の低下などさまざまな副作用がありますが、これらの作用を弱めるあるいは打ち消すような薬剤も使えるようになりました。 |
【最後に】 |
欧米では乳がん死亡率は1990年代後半から減少していますが、わが国の乳がんはり患率の急増もあり、いまだに減少しているとは言えません。 |
執筆いただいたのは |
熊本大学大学院生命科学研究部 |