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「あれんじ」 2015年8月1日号

【慈愛の心 医心伝心】
【第47回】働くお母さん応援(し)隊

女性医療従事者によるリレーエッセイ【第47回】

【第47回】働くお母さん応援(し)隊
熊本労災病院小児科  
医師 永沼 節子

 医師となって16年目、主婦となって13年目。もともと不器用な性質なくせにどちらも選べず、仕事も家庭もいまだに中途半端で迷惑ばかりかけています。そんな自分にいら立ち、落ち込むことも多々ありますが、小児科医という仕事がやっぱり好きでやめられず、周りに支えてもらいながら続けられる幸せに感謝の日々です。
 働くお母さんが珍しくないこの時代、仕事と家庭の狭間で悩むお母さんを日常診療の場でもよく見かけます。
 急性疾患で子どもが突然の入院となり職場との調整に悩むお母さん。慢性疾患の子どもを抱え、長期入院や外来受診が続き、仕事を辞めることにしたお母さん。ときには仕事を理由にわが子の入院を拒否されるお母さんもいらっしゃいます。
 最終的にどれを選択しても、ものすごく辛い思いをされていることは身に染みて感じます。
 子どもの病気を治療する、という目的を果たすことが小児科医として私が全うすべき一番大事な仕事ですが、理想的な治療を押し付けるのではなく、その子の家庭背景、とくに母親の事情を考慮して治療の方法を組み立てることの大切さを考えるようになりました。 
 同じ兼業主婦として、少しでも働くお母さんの応援ができたらと、これからも日々努力精進してまいりたいと思います。