【専門医が書く 元気!の処方箋】
〜人工透析や、死亡率の高い脳血管性疾患・心疾患を防ぎましょう〜 CKD(慢性腎臓病)にご注意!
「CKD」という病気をご存じですか? 腎機能低下や腎障害を示す所見が慢性的に続く「慢性腎臓病」のことです。耳慣れないため、自分とは関係ないと思いがちですが、実に成人の8人に1人、熊本市では6〜7人に1人がかかっている病気です。ほとんど自覚症状がないまま進行するため、定期的な健診が早期発見のポイントとなるCKD。病気についての情報と、熊本市が進める対策事業についてお伝えします。 |
症状がないまま進行 健診や検査による早期発見が大事 |
腎臓といえば、「体の中で不要になった老廃物を尿として排出する」機能が最も知られていると思います。しかしそれ以外にも、血圧のコントロールや血液の赤血球数の調整、体内のカルシウムやリンの調整…など、さまざまな重要な働きをしています。 |
啓発と発見、段階に応じた対策を 平成21年度からスタートした熊本市CKD対策事業 |
末期腎不全による人工透析患者は全国的に増加しています。中でも、熊本市はその割合が全国平均の1・4倍、中核市の中で人工透析実施率が第1位と、全国で最も多い状況です(※3)。 |
メタボリック症候群と重なるリスク 健康的な生活と健診で、予防・発見を |
血清クレアチニン濃度によってeGFRが出せるようになったため、比較的簡易にCKDの発見ができるようになった一方で、健康保険事業主(保険者)によっては特定健診の項目に血清クレアチニンが入っていないという現実があります。熊本市のCKD対策事業を担当する健康福祉政策課健康づくり推進室の本佳代子主査は、「熊本市の国民健康保険の特定健診では、項目に血清クレアチニンを追加しており、タンパク尿とeGFRから、保健指導や受診勧奨につなげています。さまざまな健診に、血清クレアチニンを項目に加えていただけるよう働きかけています」と話します。 |
今回教えてくださったのは… |
仁誠会クリニック 光の森
医師 江田(こうだ)幸政 氏 |