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「あれんじ」 2015年6月6日号

【子育て応援クリニック】
歯に関する悩み

 虫歯はないはずなのに歯が痛いと言います。指差す場所を見ると、歯茎。歯が生えてくるから痛いのでしょうか。放っておいていいですか。

発音やあごの発達にも影響 大切な役割を持つ乳歯

 赤ちゃんの歯は、生後6カ月ごろから下の前歯が2本、次に上の前歯が2本の順番で生えてきます。その時期や順番には個人差があり、1歳ごろから生え始めることも珍しくありません。

 3歳ごろには20本の乳歯が生えそろいます。乳歯には、食べ物をかむ働きのほかに、発音、あごの発達や永久歯の生え方にも影響する大切な役割があります。

 乳歯は6歳から12歳ごろまでに、永久歯と呼ばれる大人の歯に生え変わります。


生え始めの歯の周りに付きやすい 歯垢が原因の萌出性歯肉炎

 乳歯や永久歯が生えるころに歯ぐきの痛みを訴えることがあります。これは萌出性(ほうしゅつせい)歯肉炎と呼ばれるものです。

 生え始めに一部だけ現れた歯の周りに歯垢が付きやすくなり、歯茎が炎症を起こして腫れたり痛くなったりします。

 1歳前の歯の生え始めや、6歳ごろに生えてくる第一大臼歯、12歳ごろに生えてくる第二大臼歯などに多く見られるようです。 歯が生えてしまうと自然に治りますが、歯磨きで歯の周囲を清潔にすることが予防になります。

 生え始めの低い歯や奥歯には歯ブラシが届きにくいため、仕上げ磨きをしてあげるとよいでしょう。歯ブラシの大きさや硬さ、歯ブラシを当てるときの力などに気をつけて、子どもが嫌がらずにできる工夫をしてください。

 痛みが強い時には無理に磨かずに、かかりつけの歯科医に相談してください。


歯磨きで歯の周囲を 清潔にすることが予防に
生命科学研究部 小児科学分野
准教授 中村公俊