【元気!の処方箋】
全身の疾患にかかわる歯周病 しっかり予防・治療して、健やかに
痛みがないため気づかぬうちに進行してしまうことが多い歯周病。最近では、糖尿病や循環器疾患など全身の疾患と関係があることが分かってきました。 そこで今回は、歯周病の治療や予防、全身疾患にどう影響するかなどを専門医に聞きました。(取材・文/坂本ミオ) |
はじめに |
歯周病は、細菌の感染によって引き起こされます。歯肉が赤くなったり腫れたり、出血するなどの症状が出ますが、むし歯とは異なり、ほとんどの場合、痛みがありません。そのため、治療しない間に進行してしまう人が多いようです。 |
〜思い当たる症状をチェックしましょう!〜 歯周病のセルフチェック |
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原因と進行 〜不十分なケアなどで歯垢、歯石に… |
口の中には700種類以上の細菌がいます。それらは普段悪いことをしているわけではありません。しかし、ブラッシングなどのケアが不十分だったりすることで、細菌がネバネバした物質を作り出し、歯の表面につきます。これが歯垢(プラーク)です。 |
歯周病と全身疾患 〜遠く離れた臓器に悪さ |
歯周病は、口腔内の問題にとどまりません。糖尿病や循環器疾患、低体重児出産など、幅広い年齢層に関係する疾患に影響があることが分かってきています。 |
治療・予防 〜全身の健康維持に正しいケアを |
多くの患者さんは「食べることが一番の楽しみ」と言われます。おいしく上手に食べることを損なうのが歯周病。それを予防・改善することは、全身の健康維持にとって大事なことなのです。 |
【メモ】DNAの型で細菌が分かる!? |
体の中にはさまざまな場所にいろんな細菌がいます。増えると肺炎やがんになりやすい菌も分かってきています。 |
【終わりに】 |
歯周病の最大の危険因子は喫煙です。糖尿病やアルコール、肥満もそうです。また、多くの薬を服用している人の中には、副作用のドライマウス(口腔内乾燥)に悩む人がいますが、これも歯周病を起こしやすくします。 |
話を聞いたのは |
熊本大学医学部附属病院歯科口腔外科
中山 秀樹 教授 歯科医師・歯学博士 ・日本口腔外科学会専門医・指導医 ・日本がん治療認定医機構暫定教育医・ がん治療認定医(歯科口腔外科) |