すぱいすのページ

「あれんじ」 2015年4月4日号

【ママの心配・不安に応える 子育て応援クリニック】
目に関する悩み

Q まだあまり見えていないと分かっているものの、「ちゃんと見えているかな?」と気になります。また、目の病気や斜視を見つけるには、どんなチェックをすればいいですか?

動くものを追う「追視」が目安に

 目をつぶってばかりの赤ちゃんも、次第に目を開け、動くものを追って見るようになります。これを追視と呼び、比較的早い時期から評価ができます。視力などは調べられませんが、ちゃんと見えている、という一つの目安になります。

 子どものときによく見られる目の病気に結膜炎があります。炎症が生じ、白目やまぶたの裏側が赤く充血します。

 赤ちゃんの結膜炎は、涙を目から鼻へ流す管が通りにくくなる鼻涙管閉塞や、下まぶたが内側に曲がり、まつげが眼球に向かって生える睫毛内反(しょうもうないはん=逆さまつげ)によって起こることもあります。

 どちらも成長とともに治ることが多いのですが、手術が必要な場合もあります。気になるときは眼科医やかかりつけ医に相談してください。


「目つきがおかしい」「首を傾けて見る」のは要注意

 斜視は両目の視線が対象に向かってそろわず、片目の視線が別の方向に向かっている状態です。目を動かす筋肉や視力の異常などで起こります。目つきがおかしい、首を傾けて見る、などがあれば斜視を疑います。両目で立体的に見る力は小さいときから発達するため、早く見つけて治療をすることが大切です。

 斜視によく似た症状として、偽性内斜視があります。乳幼児では目の内側の皮が張り出しているために、黒目が内側に寄って見えてしまうのです。黒目に映った電灯が、両目とも同じ部分にあれば斜視の可能性は少ないです。

 眼科やかかりつけ医に相談するときには、眼を開けているときの写真を撮っておくとよいでしょう。


小さいときから発達する両目で立体的に見る力 早く見つけ、治療したい斜視
熊本大学大学院
生命科学研究部
小児科学分野
准教授 中村公俊