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「あれんじ」 2015年3月7日号

【専門医が書く 元気!の処方箋】
「ちょっとのことを、きちんとすれば、効果が得られる」 運動指南

 寒さが和らいでくるとともに、冬の間に硬くなった体をほぐしたくなりますね。しかも、できれば手軽に、健康維持・増進が図れれば…と考えます。

 そこで今回は、効果的な運動についての知識と、気軽に行える運動について教えてもらいました。

運動の種類で異なる効果 組み合わせて健康増進、体力・筋力向上を
【図】 運動の種類と効果

 ウオーキングや自転車などの有酸素運動が健康維持に有効なことはよく知られるようになりました。しかし、有酸素運動さえしていればいいというものではありません。

 左図で分かるように、有酸素運動によって心肺機能は高められますが、筋肉自体への刺激は少ないため、全身の筋力・筋肉量向上にはあまり効果がありません。筋肉に一定の負荷をかけて筋力を鍛えるレジスタンス・トレーニングを組み合わせることで、体力や筋力が向上します。また、基礎代謝が向上し、「やせやすい」「太りにくい」体になります。

 レジスタンス・トレーニングを始めるに当たって気を付けてほしいのは、
(1) メディカルチェック(運動 を安全に行うための健康診断)を受ける
(2) 運動中は呼吸を止めない
(3) 反動をつけない
ことです。

 息を止めると血圧が上昇し、心臓への負担が増加。反動で筋肉や靱帯を痛める恐れがあるからです。

 体操を組み合わせ、気軽に筋力をつけることができる運動を次のページに紹介しています。普段の生活では動かさないところを、「意識して動かす」ことを心がけ、ぜひ継続してください。


これなら気軽にできる! 〜習慣にしたい“1日3回”運動〜


1分間×3回(1日)で、1時間弱の歩行と同等の筋力増強が図れる「ダイナミックフラミンゴ体操(開眼片脚立ち)」
(1)テーブルや椅子の背などにつかまり、片足を床から5センチほど上げる。
(2)このまま1分間キープ。
(3)反対の足も同様に行う。

【運動メモ】
◎1日1回では効果がないようです。朝昼晩の食事の前後など、時間を決めて習慣化することをお勧めします。

◎この運動をきちんとすると、53分間の歩行と同程度の筋力増強が図れるというデータが出ています。

◎筋力に余裕があれば、脚を高く上げると、より効果が高まります。また、体幹をできるだけ伸ばして行いましょう。

◎膝関節痛や腰痛が出てくる場合もあります。「きついな」と感じる方は無理をせず、徐々に時間や頻度を増やしていくようにしましょう。


「何かしているの?」というくらい静かな動きで、肩の調子がよくなる「カフ エクササイズ(腱板強化訓練)」
(1)右腕を肘から前に出す。左手で、出した右手の手首あたりを外側から握る。
(2)左手は、右腕を内側に引っ張るように力を加える。加えられた力に反発するように、右腕は外側に向けて力を入れる。10秒間キープ。
(3)今度は、右腕の内側に左手を当て、外側に向け力を加える。これに反発するように、右腕は内側に向けて力を入れる。
(4)腕を替えて同様に行う。

【運動メモ】
◎肩こりや、五十肩と呼ばれる肩関節周囲炎の予防・改善に効果的な運動です。

◎静かな動きで、何をしているのかも分からないほどですが、体にはしっかり効いています。仕事中や家事の途中など、無理なくできます。


「おなかをへこませたい!」なら、これ!「体幹を鍛える-1」
(1)うつぶせの姿勢から肘をつき、上半身を床から上げる。このとき、背中が丸くならないように注意する。
(2)この姿勢を10秒間キープ。

【運動メモ】
◎体幹とは、簡単に言えば体の胴体部分。体幹の筋肉を鍛えることは、ダイエット的な側面もありますが、メタボリックシンドロームを予防・改善し、健康を維持・増進するのに欠かせません。

◎これまで紹介した運動より、ややハードになります。ご自身の体調などを考慮し、無理しないように取り組みましょう。


「おなかをへこませたい!」なら、これ!「体幹を鍛える-1」

【ステップアップ編】
もう少し負荷をかけたい場合は、足の指で支えて脚も床から離し、頭から脚までがまっすぐなるようにする。


「ウエストにくびれがほしい!」なら、これ!「体幹を鍛える-2」
(1)横向きに寝、足は膝を折った姿勢を取る。
(2)肘から下を床につけて、上半身を床から上げる。このとき、体をまっすぐ保つように注意する。
(3)この姿勢を10秒間キープ。
(4)反対側も同様に行う。


「ウエストにくびれがほしい!」なら、これ!「体幹を鍛える-2」

【ステップアップ編】
もう少し負荷をかけたい場合は、脚も床から離し、頭から脚までがまっすぐなるようにする。かなりきついので、あまり無理はしないように。


話を聞いたのは
熊本大学医学部附属病院
リハビリテーション部
脳卒中急性冠症候群医療連携寄附講座
大串 幹 特任准教授

・日本整形外科学会専門医
・日本リハビリテーション医学会
 専門医・研修施設指導責任者