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「あれんじ」 2014年11月1日号

【慈愛の心 医心伝心】
【第41回】子どもたちが与えてくれるエネルギー

女性医療従事者によるリレーエッセイ【第41回】

【第41回】子どもたちが与えてくれるエネルギー
熊本大学医学部附属病院 小児科 
医師 野村 恵子

 小児科医として大学病院に勤務する私は、児童相談所の嘱託医などもさせていただき、日々さまざまな状況の子どもたちに接している。

 今年のお正月に小学1年生の女の子から賀状をもらった。「あけまして おめでとうございます だいすきです。がんたん」。油性ペンで一字一字丁寧に書かれた文字には、力がこもっている。目にするたびにパワーをもらうので、仕事場の机の前に貼っている。

 診察の際に、子どもたちから言葉以外のサインをもらうことも多い。頭を振る、瞬きをする、そして笑顔。子どもたちのさまざまなサインが、受け取る側にパワーをくれる。

 子どもは3歳までに一生分の親孝行をすると言われるが、3歳を過ぎても周りに夢と希望を与えてくれると思う。「モンスターズ・インク」というアニメーション映画で、子どもの笑い声が文字通り社会のエネルギーになっていたように。

 見方を変えると、子どもたちは、少し先の世界からお預かりしている未来人とも言える。

 最近、通学中の交通事故、放課後の事件や虐待など、子どもが犠牲となったニュースを耳にすることが増えたように思う。そんなとき、もっと愛情を持って、この未来人たちを温かく見守り育んでいけるような、成熟した社会を私たち大人が作っていく必要があると痛感する。

 安心してのびのび育つ子どもたちは、きっと周りにパワーを振りまいて、社会にエネルギーを与えてくれるに違いない。そうしたエネルギーに満ちた社会は、輝かしい未来を迎えるのだと信じたい。