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「あれんじ」 2014年9月6日号

【専門医が書く 元気!の処方箋】
そのとき慌てないために! くまもとの救急医療Q&A

 9月9日は救急の日です。熊本県は、全国の手本となる救急医療提供体制を整えています。その体制についてお伝えするとともに、救急医療が必要な場面で「私たちはどうすればいいのか」を紹介します。熊本の状況や、急な場面での正しい知識を知り、とっさのときの落ち着いた対処につなげましょう。(取材・文/坂本ミオ)

体制整う熊本の救急医療
【図1】熊本県の救急医療における医療連携体制図

 熊本県内には10の救急医療圏があります。その各医療圏で、「入院の必要がなく、外来で対処できる」初期救急と、「入院を必要とする重症の患者に対応する」二次救急を担う体制を整えています。

 しかし、「二次救急では対応できない重篤な場合などに対応する」三次救急を担う医療機関は、熊本市内にしかありません(図1)。

 では、三次救急の必要な患者さんを遠隔地から熊本市内に運ぶためにはどうするか。熊本県では、2機のヘリコプターがその役目を果たしています。現場救急を担当する「ドクターヘリ」と、転院搬送を担当する「防災消防ヘリ」が、それぞれの役割を担いながら補完し合う体制が整っています。

 これだけ救急医療提供体制が整備されている県は珍しく、熊本ではまず「たらい回し」はないと言えます。しかも三次救急を担う4つの医療施設のレベルが非常に高いことでも知られています。

 また熊本県は、救急医療とともに災害医療提供の体制整備も進んでいます。


話を聞いたのは
国立病院機構熊本医療センター
高橋 毅 
副院長
救命救急センター長

医学博士
熊本大学大学院医学教育部客員准教授
日本救急医学会 指導医
日本集中治療医学会 専門医
日本内科学会 総合内科専門医
日本糖尿病学会 指導医
日本循環器学会 専門医


慌てず、落ち着いて! 〜正しい対応Q&A〜

国立病院機構熊本医療センターの北田真己 救命救急・集中治療部医長に聞きました


【Q1】高齢の親の様子が急変した
【information】
救急医療の情報が得られるウェブサイト
熊本県総合医療情報システム「くまもと医療ナビ」
熊本県内の医療機関を目的別に検索できるほか、医療に関する情報が得られます。
[くまもと医療ナビ]で検索

【A】まずはかかりつけ医に連絡を

 高齢の方の多くは、かかりつけ医をお持ちだと思います。「普段と様子が違う」と感じたら、まずかかりつけ医に連絡してください。そうすると、救急車を呼ぶことを含めどうすべきかの指示が得られます。

 「少し様子を見てから」と考えがちですが、高齢の方の場合、急変することも珍しくありません。早めの対処が必要です。

 そのためにも普段から、状態が変わったときにはどうするかを、かかりつけ医と話しあっておくことも大事です。

 判断に迷うとき、夜間・休日などでかかりつけ医と連絡が取れないときは、救急車を呼びましょう。


【Q2】子どもが夜、高熱を出して苦しそう
【Information】
■休日・夜間急患センター
【熊本地域医療センター】
Tel:096-363-3311
◎診療時間
  毎日夜間は、午後6時 〜 翌日午前8時
  休日昼間は、午前8時 〜 午後6時


■熊本県小児救急電話相談
  県内統一♯8000
ダイヤル回線、IP電話及び光電話の場合
Tel:096-364-9999
相談時間/毎日・夜間 午後7時〜午前0時

■ガイドブック「こどものケガ・急病について」
 子どもの発熱や嘔吐(おうと)など、どうしてよいか迷ってしまうときに役立てようと県が作成した冊子です。時々見ておくと、いざというときに慌てずに済むことも。

[熊本県 こどものケガ・急病]で検索
      もしくは
「くまもと医療ナビ」トップページの「小児救急ガイドブック」をクリック

【A】活気はあるか? 水分は取れているか?おしっこが出ているか?を確認して、判断を

 子どもに多い熱や嘔吐の症状では、〈活気があるか〉〈水分が取れているか〉〈おしっこが出ているか〉が、様子を見ていていいか、すぐ受診した方がいいかの判断基準になります。この中のどれかができていない場合は、夜間であっても救急の医療機関で診てもらうようにしましょう。

 熊本県では毎日、夜間の小児救急電話相談を受け付けています。経験豊かな看護師が相談にのってくれますので、判断に迷うときには電話をすると、アドバイスをもらえます。


【Q3】人が倒れた。AEDがあるが、どうすればいい?

【A】まず救急車を呼び、電話で指示を仰ぎましょう

 人が倒れている現場に遭遇したら、まず救急車を呼んでください。電話で状況を説明している中で、そこにAEDがあることを伝えれば、電話で具体的に指示を出してくれますので、それに従ってください。

 AEDとは、自動体外式除細動器。小型の器械で、裸の胸の上に電極のついたパッドを貼ると、自動的に心臓の状態を判断します。そして必要と判断した場合、強い電流を一瞬流して心臓にショックを与え、心臓の状態を正常に戻そうとします。

 電源さえ入れれば音声が使い方を順に指示してくれます。いざというときに臆せず使えるよう、講習会などに参加されることをお勧めします。


【Q4】救急車を呼ぶ基準は?

【A】自分で医療機関に行けるかどうか

 自力で家の外に出てタクシーなどに乗れるのかが、一つの基準です。痛みや具合の悪さでぐったりして動けない・動かせない状況なら、救急車を呼んでください。

 もともと病気を持っておられる高齢者の場合は、いつもの症状か、いつもとは異なる新しい症状かも注意してほしいポイントです。「いつもと違う」と感じる症状のときは、急いだ方がいいでしょう。


話を聞いたのは
国立病院機構熊本医療センター
北田 真己
日本救急医学会 専門医
日本救急医学会認定ICLSディレクター
DMAT※隊員
フライトドクター
※DMATとは、災害急性期に活動できる
 トレーニングを受けた医療チーム。

高齢者や子どもでは、自分で異常が訴えられないことも。変化を見逃さないことが大事です。