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「あれんじ」 2014年8月2日号

【慈愛の心 医心伝心】
【第三十九回】スマホに子守りをさせないで!

女性医療従事者によるリレーエッセー【第三十九回】

【第三十九回】スマホに子守りをさせないで!

 朝病院に向かっていると、前を父親と年長くらいの男の子が歩いていた。父親はスマホの画面とにらめっこ、子どもは黙って父親の横について歩いている。信号が赤になった。気づかない父親が渡ろうとすると、息子が「パパ赤だよ」と服を引っ張って止めている。それでもスマホの操作をやめない。

 病院の外来待合室。母親と子どもが並んで座っている。母親はスマホの画面にタッチング。子どもはゲームとにらめっこ。入室の呼び出しに気付いた母親は、子どもがゲームをやめないため怒る。怒られた子どもはぶーたれて診察室に入室する。それでもゲームを離さない。診察どころではない。

 皆さんはこの光景をどう考えるだろうか。私は、親子の会話がなくなっていることに寂しさと怖さを感じる。スマホが悪いとかゲームが悪いとか言っているわけではない。これだけメディアが至る所にあふれている今、どう向き合っていくべきかを、子どもたちのために真剣に考えないといけないだろう。それは、年齢、発達段階や発達特性によっても違うであろう。「だめだ」と子どもたちから取り上げたところで、親たちが使い方を間違っているのでどうしようもない。

 逆手にとり、スマホやゲームを使って、時間の使い方、場所の選び方、エチケットなどを子どもたちに教えながら、内容について親子で会話して遊んでみたらどうだろうか。孤独で身勝手な使い方が定着してからでは、もう遅い。

 日本小児科医会は「スマホに子守りをさせないで!」というポスターで現代の子どもとメディアの問題を提起している。ぜひご家庭で話し合ってほしい。


熊本大学医学部附属病院
医師 間部 裕代