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「あれんじ」 2014年8月2日号

【ママの心配・不安に応える 子育て応援クリニック】
乳児の歯のケア

Q歯ブラシを使っての歯のケアを始めるタイミング、気を付けることを教えてください。また、いやがって口を開けてくれないようなときはどうすればいいのでしょうか?

上の前歯が2〜4本、生えるころを目安に

 最初に生えてくることが多い下の前歯は、唾液でよく洗われるのでむし歯になりにくいといわれています。歯ブラシを使った歯磨きは、上の前歯が2〜4本生えたころ、通常は1歳前ごろを目安に始めるとよいでしょう。

 歯磨きでは、子どもが嫌がらずにできる工夫が必要です。歯ブラシの大きさや硬さに気をつけてください。歯ブラシの先の部分が小さく、毛先が柔らかい乳児用のものを選びましょう。毛先が長かったり広がっていたりすると痛がる原因になります。

 歯ブラシを当てるときの力は100〜150c程度です。料理用のスケールに歯ブラシを当てて100cの力を測ってみると、少しの力で磨けばよいことが分かります。


仕上げ磨きやフッ素塗布でむし歯予防を

 磨くときに、上唇小帯と呼ばれる上唇の中央の裏側と歯茎とをつなぐ膜のような部分に歯ブラシが当たると、痛がって歯磨きが嫌いになることがあります。その部分には指を当て、歯ブラシが当たらないように磨くのも一つの方法です。

 この時期の歯磨きは、自分で磨けるようになるための準備にもなります。嫌がるときは無理に磨かずに、歯ブラシを口の中へ入れることに子どもが慣れるのを目標にしてみてください。

 最初から、自分で歯ブラシを持つことと、大人が仕上げ磨きをすることを並行して行うようにするとよいでしょう。

 子どものむし歯予防には、必ず仕上げ磨きをする、歯科でフッ素塗布を行う、なども大切です。

 また、大人のむし歯菌を子どもにうつさないことも重要です。口うつしで食べ物を与えない、両親も口腔内のケアをする、などにも気をつけてください。


熊本大学大学院
生命科学研究部
小児科学分野
准教授 中村公俊

子どもが嫌がるときは、歯ブラシに慣れることを目標に