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「あれんじ」 2014年6月7日号

【慈愛の心 医心伝心】
【第三十八回】わたしは駆け出し行政医

女性医療従事者によるリレーエッセー【第三十八回】

【第三十八回】わたしは駆け出し行政医
熊本市南区
保健子ども課
医師 白木 恭子

 「いってらっしゃい、いい子でね!」。朝、子どもたちを保育園に送り届けることから私の1日が始まります。2歳児クラスになった長女は皆とおそろいの体操服で元気よく、4月に入園したばかりの次女は微妙に緊張した笑顔で先生に抱かれてバイバイ。車に戻って職場に向かいながら、私は気持ちのスイッチを入れ替えます。

 私は行政医師として熊本市の区役所で働いています。乳幼児の健康診査や子育て・予防接種などの相談、成人の生活習慣病予防や健康教室などの啓発活動、地域の皆さんとのまちづくり活動など、仕事の対象は赤ちゃんから大人、個人から社会までさまざまです。

 職場に医師は私一人。相談は多岐にわたるため、自分だけではカバーしきれない時もあります。保健師、栄養士、歯科医師や看護師など他職種のスタッフに助けられることもしばしばです。行政医師としては駆け出しで、勉強しなければいけないこともたくさんです。

 小児科出身ということもあり、かわいい子どもさんたちと触れ合える幼児健診は、忙しいけれど楽しい業務です。子どもさんが健やかに育つよう、お母さんお父さんが安心して子育てできるようにバックアップしていくことは、行政に関わる小児科医の大事な仕事の一つだと思います。

 私自身が子育て真最中であることも、一層今の仕事にやりがいを持たせてくれます。私を理解しサポートしてくれる夫や両親そして子どもたち、さりげなくカバーしてくださる同僚や先輩がた。支えられていることに感謝し、自らも地域の皆さんを支えることができるよう、これからも精進したいと思います。