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「あれんじ」 2014年5月3日号

【慈愛の心 医心伝心】
【第三十七回】医療の原点は「こころ」

女性医療従事者によるリレーエッセイ

【第三十七回】医療の原点は「こころ」
済生会熊本病院
救急総合診療センター
医師 関戸祐子

 2月に開催された「熊本城マラソン2014」。今年も1万人以上の市民ランナーが、さわやかな青空の下、熊本の城下町を駆け抜けました。

 今回のコースには、救護所、AED隊、給水、休憩所などが配置され、医療スタッフをはじめとした多くのボランティアが、ランナーの体調・安全を守る目的で参加しました。私は「医療ランナー」として参加。レース中に体調不良、急変ランナーを発見したら、即座に対応する役目です。

 私自身このお話をいただき、「ぜひやります」と即答したものの、実は人生初マラソン。練習開始当初は3キロも走れないといった状況でした。

 寒空の下、夜な夜な練習を重ねて挑んだ本番。医療ランナーとして、常に周囲に気を配りながらの走行、のはずでした。しかし30キロ付近、まさにクタクタな私がそこにいました。

 そんな中、今でも心に残っているのが沿道からの声援です。42・195キロ全行程にほぼ途切れることなく並んだ沿道の方々からの声援で、コースは包まれていました。たくさんの声、その声にのせて伝わってくる人から人への温かい思いに後押しされるように、こわばった私の足も自然と前に進みました。

 医療ランナーとして参加した人生の初マラソン。救助する側だと意気込んで参加したはずでしたが、ふたを開ければ、多くの方々の温かい心に助けられ、やっと実現した完走がそこにはありました。

 医療の原点は「こころ」であることを痛感させられた一日となりました。