【専門医が書く 元気!の処方箋】
「実は生活習慣病!?」正しく知りたい顎関節症
顎を動かす際に、口の開けにくさや顎に痛みを感じたことはありませんか。また、顎を動かす際に音が鳴ったり、口が途中までしか開けられなくなった経験はありませんか。 今回は、こういった症状が現れる顎関節症についてお伝えします。 |
はじめに |
顎関節症は決して珍しいものではなく、日常生活のちょっとしたきっかけで起きてしまう病気です。 |
【主な症状】痛い/音がする/口が開かない |
症状が自然に改善するのが、顎関節症の特徴です
「口を開けようとすると顎が痛い」、「顎を動かす時に音がする」、「あまり大きく口が開かない」は、顎関節症の3大症状といわれています。通常、これらの症状のどれか一つ、あるいはいくつかが組み合わさって現われてきます。 |
【診断】ほかの病気と区別することも必要 |
顎関節症は、1つの病気に付けられた病名ではなく、顎関節や周りの筋肉が痛くなったり、口を開けると音がしたり、大きく口が開けられなかったりする病気の一群を一括して付けられた病名です。 |
【原因】生活習慣など複数の要因が重なって |
【原 因】生活習慣など複数の要因が重なって |
【治療】生活習慣を改善するセルフケアが最良 |
もし顎関節症かなと思ったら、顎に負担をかけないように気をつけながら、とりあえず1週間は様子をみてみましょう。1週間たって異常を感じなくなったら、そのまま放っておいても大丈夫と思われます。症状が自然に改善するのが顎関節症の特徴です。 |
【メモ1】対症療法の種類 |
◎スプリント療法 |
【予防】上下の歯を離してリラックスしよう! |
顎関節症はいくつかの要因が重なって起こる
顎関節症を予防するには、顎関節症を発症させるさまざまな要因を一度に積み上げないようにすることが必要です。 |
【図2】歯列接触癖が顎関節症を引き起こすメカニズム |
(左)通常:何もしていないときは、上下の歯はほんの少し離れている
(右)歯列接触癖:上下の歯を長時間接触させていると筋肉が働き続けて疲労してしまい、顎関節も押さえ込まれる状態になるため、痛みを感じやすくなる |
【図3】日常生活で、こんなことに気をつけよう! |
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今回執筆いただいたのは |
熊本大学医学部附属病院 |