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「あれんじ」 2010年7月3日号

【ママの心配・不安に応える 子育て応援クリニック】
夏に多い子どもの病気

 夏かぜと呼ばれる病気には、ヘルパンギーナや手足口病などがあります。夏かぜの原因となるウイルスは、比較的高温多湿に強いため夏に流行しやすいと考えられています。また、夏には虫刺されをかいてしまうことで、とびひ(伝染性膿痂疹(のうかしん))になることも心配されます。

ヘルパンギーナ

 のどの強い痛みと発熱が特徴です。のどの奥に水疱を伴う発疹(ほっしん)がみられます。39度以上の発熱が数日続き、食欲がなくなります。ほとんどの場合は自然に治るので、のどの痛みや発熱、食欲などの症状に対して治療を行います。くしゃみやせきなどから感染するので、うがいや手洗いが大切です。また、便によって感染が広がることもあります。


手足口病

 5月ごろから流行が始まり、7月にピークを迎えます。手のひらや足の裏、口の中などに赤い発疹が出ます。発熱は軽度のことが多いのですが、39度ぐらいの熱が出ることもあります。発熱がなく食欲もあれば園や学校を休ませる必要はありません。治ったあとも
1カ月程度はウイルスを出し続けるため、症状がある間だけ休ませても感染防止にはならないのです。まれに髄膜炎や脳炎を起こすことがあるため、強い頭痛や嘔吐(おうと)があればかかりつけ医に相談してください。


とびひ(伝染性膿痂疹)

 黄色ブドウ球菌が皮膚に感染し、皮膚が赤く腫れて、皮がむけたり水ぶくれができたりします。溶血連鎖球菌によって起こるものでは、厚いかさぶたが特徴です。強いかゆみを伴うため、かいてしまうことで菌が手指につき、ほかの部位の皮膚やほかの子どもにうつります。治療には抗生物質やかゆみ止めの飲み薬や塗り薬を使います。あせもや虫刺されのあと、化膿した部分が広がるようであればかかりつけ医に相談しましょう。







 どれも適切な治療を受ければ良くなる病気です。ここで紹介したような症状が見られたら、速やかにかかりつけ医を受診しましょう。