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「あれんじ」 2014年3月1日号

【ママの心配・不安に応える 子育て応援クリニック】
頭部の打撲

 打撲はよくあることですが、それが頭であれば心配は大きいものです。今回は、転落したり、ものとぶつかったりして頭を打った時の対応についてお伝えします。

心配な骨折と頭蓋内出血の目安

 頭を打った時に、特に心配なのは骨折と頭蓋内出血です。ある指針には、骨折や頭蓋内出血を必ず心配しなければならない目安として、けいれん、5分以上の意識消失、または3回以上繰り返す嘔吐を起こした場合などがあげてあります。
 打撲した後でしばらくぼーっとしていた、1回だけ嘔吐があった、なんとなく元気がない、などの時には病院を受診したほうがよいかどうか迷います。いつもと違う様子がしばらく続くようであれば、受診したほうが安心かもしれません。


変わった様子がないか観察を

 一方、屋内の1m以内の高さからの落下などで、打撲後にすぐに泣きだして、意識を失った様子がなく、特に変わったところがなければ、そのまま家で様子を見ていてよい場合が多いです。その際にも、24時間程度は目の届くところで生活させ、変わった様子がないかを観察しておくとよいでしょう。


屋内外で転倒予防の配慮を

 最も大切なことは、子どもが頭を打たないように予防することです。
 家の中を点検して、転落しそうな場所や倒れそうなものの近くに子どもが行かないようにしておきましょう。硬い床にはマットを敷いておくと落ちた時の衝撃が少なくなります。
 歩き始めたら、階段や公園の遊具などでは目を離さないようにします。二人乗りの自転車からの転落も珍しくありません。子ども用のヘルメットをかぶせて、目的地に着いたら荷物より先に子どもを下ろすことを習慣にしてください。


熊本大学医学部附属病院
小児科
講師中村公俊

 寝返りを始めたころや歩き始めたころなどは特に注意が必要です。思いがけないところから赤ちゃんが落ちそうになって慌てないよう、気を付けましょう。