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「あれんじ」 2013年12月7日号

【ママの心配・不安に応える 子育て応援クリニック】
心配なけいれんと 急性脳症

 子どものけいれんに驚くママ、パパも多いかもしれません。今回は、心配なけいれんと急性脳症についてお伝えします。

熱性けいれん

 子どものけいれんの多くは熱性けいれんです。生後6カ月から5歳ごろによくみられ、発熱に伴って起こります。その多くは治療を必要とせず、その後も影響を残しません。5〜10%の子どもが1度は熱性けいれんを経験すると言われています。
 けいれんを見つけたら、始まりの時間を記録して、5分以上けいれんが続くようであれば病院へ連れて行くとよいでしょう。けいれんが止まった後はしばらく目が覚めなかったり、まひが残ったりすることがありますが、2〜3時間で回復することがほとんどです。


発熱がないけいれん

 発熱がないのにけいれんが起きたときには、急いで治療する必要があるかもしれません。できるだけ早く病院を受診してください。てんかん、胃腸炎、低血糖、ナトリウムやカルシウムの異常、脳腫瘍などさまざまな原因が考えられます。


急性脳症

 インフルエンザウイルス感染症が流行したときに、急性脳症が話題になりました。しかし、急性脳症を疑われた子どもの多くは、せんもうと呼ばれる軽い意識障害と興奮によるもので、重症化せずに治ったものがほとんどでした。
 急性脳症では、感染症の経過中に強い意識障害を認めます。同時に発熱とけいれんがみられたり、頭部CTやMRIによる画像検査で異常がみられたりします。重症化すると意識障害が続き、命にかかわることがあります。


難しい初期での見分け

 急性脳症と熱性けいれんをその初期に見分けるのは専門医でも難しいことがあります。熱性けいれんの後で意識障害からの回復が悪いときや、けいれんを繰り返し意識障害が進むときには、急性脳症が進んでいる心配があります。かかりつけ医と相談して、急いで入院や治療が必要かどうかを決めましょう。


熊本大学医学部附属病院
小児科
講師 中村公俊

 熱性けいれんを起こした子どもの約3分の1は再び熱性けいれんを起こすことがあります。落ち着いて対応しましょう。