【専門医が書く元気!の処方箋】
若い女性に多い 痔の病気
なかなか人前で話題にしづらい「痔」。しかし、若い女性や出産後などに悪化させる人も多いそうです。 そこで今回は、若い女性に多い痔の原因と予防や対策、治療法についてお伝えします。 |
10代の女性に多い切れ痔の原因は? |
若い女性、特に10代の女性は他の年代の女性や同世代の男性に比べて圧倒的に切れ痔が多いのが特徴です。その原因は…。 |
女性ホルモンの影響 |
痔が発症する肛門は、実は皮膚の一部なのです。10代後半になると女性ホルモンが活発になる関係で、表皮の成長と老化(角化)が男性に比べて遅く、皮膚は子どもの時と同じように皮脂層に富んでおり、柔らかくスベスベしています。反面、保護機能を担うケラチンの層がまだ薄く、他の年代に比べて感染を起こしやすい傾向にあります。 |
大切なゾンビ!? |
肛門の近くの皮膚も他の皮膚と同じく3層(表皮、真皮、脂肪層)からなっています。その3層は死んだ表皮細胞(ケラチン)によって覆われ、細菌からガードされています。つまり、細菌から見ると人間は“ゾンビ”みたいなもので、表面が硬い死んだ細胞で覆われており取り付く島がないのです。 ところが時々、清潔大好きの人がいて、必要以上に石けんを使って強く洗い過ぎると、この表面の層が薄くなって感染しやすくなります。 |
痔にならない、悪化させないための予防と対策 |
では、皮膚をいい状態に保って痔にならない、悪化させないために乳酸菌と常在菌を強くするにはどうすればいいのでしょうか。 |
睡眠不足が痔を悪くする |
肛門の皮膚が長湯でアルカリ化しても、ヨーグルトで常在菌が減っても、なんとか持ちこたえていたお尻に睡眠不足が加わると細菌感染しやすくなり、疲れ、微熱、火照り等が出現します。 |
「こんなとき、どうすればいい!?」〜知っておきたい治療 |
●悪化して痛い、出血のとき |
お産で激しい痛みが起きたとき |
お産の時、肛門が大きく腫れてひどく痛み、出産どころではないという方が時にみられます。 |
藤好クリニック
藤好建史院長 昭和47年、熊本大学第二外科入局。 昭和56年、三井大牟田病院にて大腸肛門科。 その後、高野病院に副院長として勤務。平成6年、藤好クリニック開院 |