あれんじのページ

「あれんじ」 2013年11月2日号

【慈愛の心 医心伝心】
【第三十三回】家族のこと

女性医療従事者によるリレーエッセー【第三十三回】

【第三十三回】家族のこと
熊本大学大学院 生命科学研究部 小児科学分野
助教 坂本 理恵子

 結婚してもうすぐ7年になります。その間に一男一女を授かりました。  
 長女は今年小学校に上がり、ピンクのランドセルを担ぎ、元気に登校しています。幼稚園のころから自己主張がなく、お遊戯会では白雪姫の召使い役でした。鼓笛隊のドラム、音楽会のエレクトーンなど、どれもそつなくこなしていました。目立たないけど、やれる子だと思います。  
 長男は幼稚園の年中組になりました。今年の運動会では鼓笛隊のカラーガード(旗振り)が一番の見せ場です。3歳の運動会では泣きっぱなしで、センターポジションで披露するはずのダンスは完全な棒立ち。私は彼の目の前で、動かない彼をひたすら録画していました。あのころと比べると今は成長著しく、今年は期待しています。  
 主人は、私が復職して以来専業主夫となり、家にいてくれています。主夫歴6年です。彼の毎朝の口癖は「あー、今日の晩ご飯何にしよう」です。年々、段階的に主夫力がついてきていると私は思っています。
 私は、こんな家族を持ちながら仕事をしています。小児科医として大学病院で働く時間は、学びと挑戦の時間であり、それは意外と楽しくもあります。しかし、子どもたちにとっては母親が家にいない寂しい時間です。復職して大学で当直を始めたころ、夜に電話先で子どもたちが泣いていました。子どもを産んだとき、「なるべく子どもたちを泣かせないように育てなさい」と母親に言われましたが、私は仕事をするために子どもたちを泣かせてきました。
 何がWINで何がLOSTなのか、それは今を振り返ることができる時期が来ないと分からないのかもしれません。今は家族に感謝しつつ、無理のない程度に仕事を続けたいと思っています。