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「あれんじ」 2013年7月6日号

【熊本を知ろう〜熊本県松橋収蔵庫収蔵品から〜】
貝類の不思議

 県民から寄贈された熊本の自然と文化に関する貴重な学術資料が約64万点収蔵されている熊本県松橋収蔵庫。その収蔵品から熊本の歴史や文化、民俗、自然などを紹介します。今回は、「貝類の不思議」についてお伝えします。

「貝類の不思議」展8月31日まで開催中

 貝類は、軟体動物に分類されます。世界に約10万種以上が深海から高山まで、また淡水にも陸上にもと、さまざまな環境に適応し生息しています。
 日本にも約1万種以上が生息し、熊本県でも約4千種以上が確認されています。
 多くの種類は貝殻を持っていますが、進化の過程で貝殻をなくした種類も少なくなく、イカやタコ類、ウミウシ類、ナメクジ類なども、実は貝の仲間です。
 なんといっても貝類の魅力は、その殻の持つ色彩や形態、そして生態の多様性です。1_に満たないケシガイ、殻の幅が2b以上で重さが200`以上にもなるオオシャコガイ、人をも殺す毒を持つタガヤサンミナシ、その希少性から100万円以上で取り引きされたこともあるタカラガイ類、約4億年以上も形を変えずに生きてきたオキナエビスの仲間たち、そしてさらには、温泉に浸かって生きている巻貝(オンセンミズゴマツボ)さえもいるのです。このように、実に多様で不思議な貝類の世界が広がります。
 松橋収蔵庫には、貴重な貝類の標本が数万点も保管されています。また現在、企画展「貝類の不思議」(〜8月31日)を開催しています。見たことも聞いたこともない貝類の不思議をのぞいてみませんか。(熊本県松橋収蔵庫 坂梨仁彦)


Data
ベニオキナエビス

熊本県松橋収蔵庫
宇城市松橋町豊福1695
TEL/0964(34)3301

開館時間/ 10時〜17時
休館日/日曜、祝日、企画展示が開催されていない土曜日、年末年始
入館料/ 無料
駐車場/ あり


タガヤサンミナシ


ニッポンダカラ


オンセンミズゴマツボ


シラヒメウミウシ