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「あれんじ」 2013年3月2日号

【慈愛の心 医心伝心】
【第二十八回】医療現場もデジタル化

女性医療従事者によるリレーエッセー 【第二十八回】

【第二十八回】医療現場もデジタル化
熊本大学医学部附属病院
呼吸器内科医師
増永 愛子

 近年、社会の電子化の進歩は著しく、医療の現場においても例外ではない。
 つい最近までは、電子カルテが導入されていたのは都会の大きな病院だけであったが、ここ数年で熊本でも多くの病院で電子カルテが導入された。
 診療や研究の分野でも厚い医学書を開くことはほとんどなくなり、最新の治療方針や国内外の論文など必要な資料の多くはインターネットでの閲覧やダウンロードが可能である。
 このような現状から、医療現場でも大活躍なのが若いスタッフ達である。私がパソコンの前で悪戦苦闘している間に、彼らは涼しげな顔をしてiPadなどのタブレットを片手にスマートに仕事を片付けていく。
 電子カルテやパソコンの操作が分からない時も、いとも簡単に解決してくれ、驚くような裏技まで教えてくれる。
 そんな彼らの仕事ぶりに日々感心しながら、何事にも若い力が重要だということを実感させられる。
 もちろん、私も上のスタッフから見ればまだ若い世代に入るかもしれないが、自分が確実に時代から遅れていると感じることがあるのも残念ながら事実である。
 ただ、ここで思うのは、若いというのは何も実際の年齢だけではなく、若い人達の考え方や新しいことを取り入れる姿勢が重要であるということだ。
 「若い人はいいなあ…」とつい言ってしまう自分を反省し、いつまでも彼らの仲間でいられるように頑張っていきたいと思っている。