すぱいすのページ

トップページすぱいすのページ「あれんじ」 2013年2月2日号 > 【第二十七回】 新しい生命(いのち)をみつめて

「あれんじ」 2013年2月2日号

【慈愛の心 医心伝心】
【第二十七回】 新しい生命(いのち)をみつめて

女性医療従事者によるリレーエッセー 【第二十七回】

【第二十七回】 新しい生命(いのち)をみつめて
熊本大学医学部附属病院 
産科婦人科 
医師 本田 智子

 医学部3年次の「基礎演習」という科目でマウスの体外受精に関わったことが、私が産婦人科医を志すきっかけとなりました。大学病院での学生臨床実習のころには、どの科を回っても「産婦人科医になります」と宣言し、何の迷いもなく産婦人科医になりました。
 産婦人科という科は昼夜なく仕事が入ります。今現在、周産期(いわゆる妊娠・出産)を中心とした診療に従事していることもあり、夜間の出産や時間外の救急搬送などがあると、どこにいてもかけつけることになります。大変な仕事ですが、無事赤ちゃんが生まれ元気な産声が聞こえてくると、それだけで私はとっても幸せな気分になります。
 家に帰りつくころにはヘトヘトですが、そこでも私の疲れを癒やしてくれる大切な家族が待っていてくれます。どんなに遅く帰ってきても「どうだった? 無事生まれた? お疲れ様」と私をねぎらってくれる旦那さま(私のご飯まで用意してあります! もちろん主人も仕事持ちです!)と、「赤ちゃん男の子? 女の子? どっちだった? かわいかった?」「頑張ったね! お風呂沸いてるよ〜」と私にまとわりついてくる4人の子どもたち。
 産婦人科医不足の中、産婦人科は激務といわれながらも今日までやめずに続けてこられたのは、妊婦さんがお母さんになった時の笑顔と、家族の支えがあったからこそ、だと確信しています。
 これからも、わが家のような幸せな家族を増やすお手伝いができたら、の思いで日々頑張っていこうと思っています。