【見る・知る・感じる 熊本まつり探訪】
白い狩衣(かりぎぬ)に編み笠歌と太鼓に跳ね舞う春祭り【なれなれなすび】
開催日:3月10日(土) 開催場所:巌島(いつくしま)神社(山鹿市長坂) JAかもと夢大地館から国道3号を山鹿市街方面へ車で約5分、菊水ICから車で約15分 (問)山鹿市文化課 ☎0968(43)1691 |
「成れ成れ」と五穀豊穣を祈願 |
山鹿市の長坂地区にある巌島神社で、3月 10日に行われる「なれなれなすび」。もとは8月盆に行われていた祭りで奉納されていた踊りで、起源は室町時代とも言われています。 |
体そらし足跳ね上げる力強い舞 |
踊りは、踊り手、太鼓、歌い手で構成されます。以前は、舞の中心となる踊り手は、地区にある3つの組から若手の未婚男性が2人ずつ、計6人選ばれていたようです。なぜ未婚男性が選ばれていたのかは不明ですが、白い麻の狩衣をまとい、頭には編み笠(がさ)を烏帽子(えぼし)のようにかぶります。歌に合わせ大太鼓が鳴り始めると、身をそり返しながら足を大きく上げたりする力強い舞が続けられます。 |
【教えてください】「娯楽性強い祭りはいつから? |
「なれなれなすび」の踊りは、五穀豊穣を祈願するほか、雨乞いや死者の供養という意味を含む祭りと言われています。しかし時代の変遷とともに死者を供養する要素が少しずつ薄れ、舞や太鼓などが中心になる娯楽的要素が強くなったようです。祭りで帽子や笠をかぶるのは仮装の一種。このような娯楽的要素が祭りに加わるのは江戸時代以降のことです。 |