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「あれんじ」 2010年5月1日号

【慈愛の心 医心伝心】
【第二回】 こだわりの食材   〜病院食の地産地消

女性医療従事者によるリレーエッセー 慈愛の心 医心伝心 【第二回】

こだわりの食材  〜病院食の地産地消
国保水俣市立
総合医療センタ−
管理栄養士
山下 茂子

 病院食について考えたことがありますか? 入院中は与薬や点滴が行われるので、栄養科では添加物を使わないようにしています。
 こだわりの食材とはどんなものでしょうか? 年間616品のうち輸入品は、帆立て貝、エビなどの海産物やバナナ、パイナップルなど31種類で、レモン、ブロッコリーなどは一時期輸入品を使用。肉は国内産で、魚は朝の市
場にあがった新鮮な物のみ。
野菜は、熊本産が重量別49%、
金額別51%。九州内産は共に25%、九州外産が重量別17%、金額別14%で外国産は重量別9%、金額別10%です。
 食材だけでなく手作りにもこだわり、加工食品はちくわ、かまぼこなどの練製品やハム、ベーコン、マヨネーズなど18種類を一般食に使用。すり身を揚物、焼物、蒸物に、ローストビーフやからしれんこんも手作りして、どの疾患にも応用できるように工夫。300sの梅は、減塩やカリウム制限など5種類の梅干しやお菓子用に加工し、ケーキやアイスなどの嗜好品を糖尿病、肝臓病、腎不全などの方にも提供できるので好評です。
 食文化伝承のため、手作りの鯛飯やいきなり団子などのふるさとメニューを年8回、行事食を36回、年109回の選べる朝食などにも取り組んでいます。そういった栄養科の取り組みや思いをメッセージカードに託し、患者一人一人に合った食事が提供できるように挑戦中です。
 栄養管理の第一は安心安全です。「食は安全で当然」のために、よりよい食材選びと安心な食事作りに努めています。