【司会】 肥後医育振興会常任理事/熊本大学大学院生命科学研究部分子病理学分野教授 山本 哲郎 氏 |
日本呼吸器学会代議員/熊本中央病院副院長 吉永 健 氏 |
【講師】 熊本大学大学院生命科学研究部呼吸器内科学分野教授 興梠 博次 氏 演題:《講演1》いつまでも若々しい呼吸をするには |
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【講師】 熊本市民病院感染症内科部長 岩越 一 氏 演題:《講演2》高齢者肺炎の予防と治療 |
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【講師】 国立病院機構熊本医療センター呼吸器内科部長 柏原 光介 氏 演題:《講演3》肺がんの早期診断 |
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【講師】 熊本大学大学院生命科学研究部呼吸器外科学分野教授 鈴木 実 氏 演題:《講演4》肺がんの外科治療 |
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【講師】 熊本大学大学院生命科学研究部放射線治療医学分野教授 大屋 夏生 氏 演題:《講演5》肺がんの放射線治療 |
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【講師】 九州大学大学院医学研究院呼吸器内科学分野教授 中西 洋一 氏 演題:《講演6》肺がんの内科治療の今 |
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第49回肥後医育塾・日本呼吸器学会「呼吸の日九州2013」市民公開講座「呼吸器疾患〜肺がん・肺炎の上手な予防、上手な治療〜」が6月9日、熊本市中央区のホテル熊本テルサで開かれ、約500人が受講した。主催は公益財団法人肥後医育振興会、一般財団法人化学及血清療法研究所、日本呼吸器学会「呼吸の日九州2013」、熊本日日新聞社。
肥後医育振興会常任理事の山本哲郎氏を司会に、日本呼吸器学会代議員の吉永健氏と、熊本大学大学院生命科学研究部の興梠博次氏の2人が進行役を務め、感染症内科、呼吸器内科、同外科、放射線科の6人の医師が、各専門の立場から呼吸器疾患について講演。熊本市立帯山中学校合唱部によるコーラスや、受講者からの質問に答えるQ&Aコーナーもあった。また講演に先立ち、ロビーでは呼吸機能などの無料測定会が行われた。
誤嚥性肺炎の症状を教えてください。
せきや発熱などの肺炎の初期症状は少なく、食欲不振や、何となく元気が出ないというケースが多くみられます。咳のときや会話のときに喉がガラガラする、微熱が続くなどが手掛かりになります。
認知症と誤嚥性肺炎は関連がありますか。
脳機能が低下する認知症の方は喉や気管への神経の障害も起こりやすく、嚥下への注意力も低下していますので、誤嚥性肺炎を起こしやすく注意が必要です。
末期の肺がん患者に気管支内視鏡検査をしたと聞きましたが、どういうことですか。
気管支内視鏡は診断のためにも治療のためにも使います。体力が低下すると、たんが出せなくなり呼吸ができなくなります。たんを除去するために緊急避難的に気管支内視鏡を使用して楽に呼吸ができるようにします。
肺がんの手術がうまくいった後の過ごし方は、どうすればいいでしょうか。
肺がんの再発は、手術後2年以内が8割を占めています。呼吸器外科に通院し、再発のチェックをしてください。一度がんになった人は新しくがんが発生する可能性もありますので、禁煙は必須です。
親が肺がんでした。遺伝で私もいつか肺がんになるでしょうか。
女優のアンジェリーナ・ジョリーさんが、乳がん発症の遺伝子を持っているとのことで乳房を予防切除したことが話題になりました。しかし肺がんに関しては、遺伝との関連性ははっきりしていません。
内科や外科から、どのような肺がん患者が放射線科に紹介されるのですか。
手術で取り切ることができない局所進行肺がんで、遠隔転移のない人です。早期肺がんでは、体力、年齢、肺機能低下などの理由で手術に耐えられない人や、手術を希望しない人が適応です。
粒子線治療は従来の放射線治療より、治療効果が高いのですか。
粒子線治療は、早期の肺がんに対する治療成績を、さらに上積みできる放射線治療として期待されています。しかし、がんのできた部位などによっては治療ができないこともあります。