ニュース

トップページ肥後医育塾公開セミナー > 平成29年度 第2回公開セミナー「正しく知ろう乳がんのこと」

平成29年度 第2回公開セミナー「正しく知ろう乳がんのこと」

司会・講師


肥後医育振興会常任理事
くまもと江津湖療育医療センター総院長
遠藤 文夫(えんどう ふみお)


肥後医育振興会副理事長
山本 哲郎(やまもと てつろう)

【座長】
熊本大学大学院生命科学研究部乳腺・内分泌外科学分野教授
第25回日本乳癌学会学術総会会長
岩瀬 弘敬(いわせ ひろたか)

【講師】
熊本大学医学部附属病院 乳癌分子標的治療学寄附講座特任准教授
指宿 睦子(いぶすき むつこ)

演題:講演@ 乳がんは遺伝するの?
【講師】
熊本大学大学院生命科学研究部乳腺・内分泌外科学分野准教授
山本 豊(やまもと ゆたか)

演題:講演A 乳がん治療はこんなに変わった
【講師】
熊本大学医学部附属病院 がんセンター 外来化学療法センター長
陶山 浩一(すやま こういち)

演題:講演B 抗がん剤は怖くない
【講師】
熊本大学医学部附属病院
緩和ケアセンター特任教授
吉武 淳(よしたけ あつし)

演題:講演C 緩和ケアってなんだろう

セミナーの内容

  第62回肥後医育塾、第25回日本乳癌学会市民公開講座「正しく知ろう乳がんのこと〜診断から緩和ケアまで〜」が10月29日、熊本市中央区のホテル日航熊本であり、約360人が聴講した。主催は公益財団法人肥後医育振興会、一般財団法人化学及血清療法研究所、熊本日日新聞社、第25回日本乳癌学会学術総会。
 講座は熊本大学大学院生命科学研究部乳腺・内分泌外科学分野教授の岩瀬弘敬氏が座長を務め進行。同大学院ならびに同大医学部附属病院の4人の医師が演壇に立ち、最後にQ&Aコーナーが設けられ、医師らが聴講者からの質問に答えた。

約360人の参加者が真剣に耳を傾けた =熊本市中央区のホテル日航熊本

Q&A「あなたの質問にお答えします」

ホルモン治療を始めて5カ月がたちます。関節痛や神経痛のほか、朝起きたとき、全身にこわばりがあります。
薬の副作用の可能性がありますが、日常生活に支障がないのであれば、基本的には薬の服用を続ける必要があります。ホルモン治療の副作用で、朝は特に関節が滑らかに動きにくくなりますので、車の暖機運転をイメージし、体をゆっくり動かしてから起床するようにしてください。(山本)

今、話題となっている新薬がありますか。
11月頃に発売予定の分子標的治療薬「パルボシクリブ」は、ホルモン受容体が陽性であるけれどもホルモン療法が効きにくい人に対するがん治療薬として期待されています。ただし、いくつかの副作用がみられることと、保険適用となっても、大変に高価です。(山本)

免疫チェックポイント阻害薬についてご紹介ください。
ヒトには免疫力があるので、理論上、がん細胞は簡単には増殖できないはずなのですが、免疫力を巧妙に抑えて増殖する仕組みを持っています。免疫チェックポイント阻害薬はその抑えられた免疫力を再び活性化させることで、がん細胞の増殖を抑えます。乳がんではまだ実用化されていませんが、皮膚や肺、胃や腎臓のがんでは実用化され、大腸がんに対しても効果が期待されています。ただ自己免疫疾患のような重症となる副作用が報告されていますので、“夢の薬"と思わないで、専門医と相談して治療を受けてください。(陶山)

乳がんで年間に多くの女性が亡くなっていると聞きました。亡くなる場所は病院や自宅、どこがいいのでしょうか。
どこで亡くなるのが皆さんにとって幸せですか。それをかなえるのが緩和ケアです。どっちがいい、悪いではなくて、どうしたいのかを考えることが重要です。(吉武)

抗がん剤やホルモン治療をしている間、飲酒は控えた方がいいのでしょうか。
ホルモン療法は肝臓で代謝されます。ホルモン療法と抗がん剤治療を併用する場合だけでなく、ホルモン療法単独の場合も、肝臓に負担をかけますので、できればお酒は控えていただいたほうがいいのです。ただ、時々で量も多くなければ、いいのではないかと思います。(指宿)
 抗がん剤は点滴と服薬のタイプがありますが、点滴をした当日や服薬したばかりのときは、飲酒を控えた方がいいと思います。それ以外なら治療に影響を及ぼさない程度に、適量の飲酒を楽しんでいただいてもいいと思います。(陶山)