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肥後医育塾公開セミナー

平成22年度 第2回公開セミナー「呼吸器疾患の予防と治療 ぜんそく、肺がん、COPD(慢性閉塞性肺疾患)」

司会・講師

【座長・講師】
肥後医育振興会常任理事・熊本大学大学院生命科学研究部呼吸器病態学分野教授
興梠 博次

演題:喘息(ぜんそく)でも普通に生活できる治療法
【司会】

高橋よしえ

【講師】
九州大学大学院医学研究院呼吸器内科分野教授
中西 洋一

演題:タバコを吸うと誰でも肺がんになるのか?
【講師】
久留米大学呼吸器・神経・膠原病内科部門教授
相澤 久道

演題:慢性閉塞性肺疾患(タバコによる肺障害:肺気腫)について
【講師】
くまもと禁煙推進フォーラム副代表・たかの呼吸器科内科クリニック
高野 義久

演題:タバコ環境と疾患・禁煙のすすめ

セミナーの内容

  肥後医育塾の第41回公開セミナー「呼吸器疾患の予防と治療 ぜんそく、肺がん、COPD(慢性閉塞性肺疾患)〜だれもが健康で長生きするための禁煙〜」が11月13日、熊本市の崇城大学市民ホールで開かれ、約600人が受講した。
 肥後医育振興会常任理事で熊本大学大学院生命科学研究部の興梠博次教授が座長を務め、興梠氏を含む呼吸器系の専門医4氏が、喫煙と呼吸器疾患の関連性などを解説した。「Q&Aコーナー」では4氏が登壇し、参加者から事前に寄せられた質問に答えた。また「呼吸と音楽、声と健康」と題して、プロの音楽家によるミニコンサートもあった。要旨を紹介する。


ミニコンサート「呼吸と音楽、声と健康」
透明感ある歌声 参加者を魅了

 ミニコンサートでは、小林万里子さんのピアノ伴奏に合わせ、ソプラノ歌手・馬原裕子さんがシューベルトの「アヴェ・マリア」「ます」、プッチーニの歌劇「ラ・ボエーム」から「私が町を歩くとき」など7曲を透明感のある声で歌い上げ、多くの参加者を魅了した。
 コンサートの後、馬原さんは「たばこの煙はのどに悪いので、煙がある所には絶対行きません。ヨーロッパは室内禁煙で体に良い環境です。日本もそうなってほしい」。小林さんは「ピアノ演奏は全身を使います。首や肩を暖かくして風邪に注意し、いつも万全の体調で演奏することを心掛けています」と話した。

約600人が聴いた第41回肥後医育塾公開セミナーの会場=熊本市の崇城大学市民ホール
小林万里子さん(左)のピアノ伴奏で熱唱する馬原裕子さん

Q&Aコーナー

肺がんの因子は何でしょうか。
ほかの多くの病気と同じく、生活環境や体質などが影響しています。中でも喫煙は、飛び抜けて大きな肺がんの因子です。

74歳の主人が17年前に肺気腫と診断され、効く薬がないといわれました。本当ですか。今後はどういったことに気を付けて生活すればよいでしょうか。
COPDという病気は肺が壊れてしまうため、以前は治療が不可能と考えられていました。しかしこの10年ほどの間に、抗コリン薬、吸入ステロイド、β(ベータ)刺激薬などの新薬が登場し、症状の改善とともに病気の進行を抑えることも可能になりました。一度壊れた肺は元には戻りませんが、残った肺の機能を最大限に働かせることは可能です。

COPDから発展する病気はありますか。また、呼吸困難にならないための普段の心得や対策があれば教えてください。
COPDは最近では、全身の病気だといわれています。最初にたばこが肺に傷害を与え、その傷害が心臓病や糖尿病を引き起こし、骨をもろくし、筋肉を衰えさせるとみられています。ですから、禁煙がとても重要です。日常生活では適度な運動と正しい食習慣を心掛け、定期的な検診も受けてください。

たばこを吸い続けると、体にどんな悪影響が出ますか。やめる方法は。
喫煙は、肺や気管支の病気のほか、心臓病や脳卒中などを引き起こします。認知症の患者さんにも、喫煙者が多いことが分かっています。たばこをやめるには@自力でやめるA薬局で薬を買って使うB医療機関の禁煙外来を利用する―という3つの方法があります。@とAを成功させるコツは、やめようと思う日を決め、その日からきっぱりとやめること。Bは医師の助言を受けながら、禁煙補助のための飲み薬や貼り薬を使う方法です。治療期間は3カ月で、成功率は約7割です。保険が適応されれば、おおむね2万円弱の予算で、禁煙治療が受けられます。

ぜんそくを患って数年たちますが、この病気は本当に治らないのですか。
完全には治りにくい病気ですが、治療によって症状をコントロールし、治ったのとほぼ同じ状態にすることは可能です。

主人が、朝からぜんそくの発作が出て、走ることもできません。良い治療法はないでしょうか。
ぜんそくは特に、寒い朝に発作が出やすく、走ると症状が強くなります。もう少し治療法を追加すればぜんそく発作もなく走れるようになるでしょう。医師にお薬の追加や増量を相談してみてはいかがでしょうか。