肥後医育塾公開セミナー

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平成21年度 第1回公開セミナー「がんと緩和ケア」

司会・講師

【司会】
肥後医育振興会常任理事・熊本大学大学院医学薬学研究部小児科学分野教授
遠藤 文夫

    【司会】
    肥後医育振興会常任理事・熊本大学大学院医学薬学研究部小児科学分野教授
    遠藤 文夫

【座長】
熊本大学大学院医学薬学研究部 生体機能制御学分野教授
山本 達郎

    【座長】
    熊本大学大学院医学薬学研究部 生体機能制御学分野教授
    山本 達郎

【講師】
国立がんセンター中央病院 手術・緩和医療部長
下山 直人

演題:日本の緩和医療の現状と今後の展望
    【講師】
    国立がんセンター中央病院 手術・緩和医療部長
    下山 直人

    演題:日本の緩和医療の現状と今後の展望
【講師】
熊本大学医学部付属病院がんセンター 緩和ケアチームリーダー
本間 恵子

演題:がん診療連携拠点病院の緩和ケアチームの活動
    【講師】
    熊本大学医学部付属病院がんセンター 緩和ケアチームリーダー
    本間 恵子

    演題:がん診療連携拠点病院の緩和ケアチームの活動
【講師】
熊本市医師会熊本地域医療センター総合診療部長・麻酔科部長・救急部長
田上 正

演題:緩和ケア病棟は今…
    【講師】
    熊本市医師会熊本地域医療センター総合診療部長・麻酔科部長・救急部長
    田上 正

    演題:緩和ケア病棟は今…
【講師】
ひまわり在宅クリニック院長
後藤 慶次

演題:在宅緩和ケアって何だろう?
    【講師】
    ひまわり在宅クリニック院長
    後藤 慶次

    演題:在宅緩和ケアって何だろう?

セミナーの内容

  第37回肥後医育塾・県がん診療連携協議会公開セミナー「がんと緩和ケア」が7月11日、熊本市のホテル熊本テルサで開かれた。主催は、(財)肥後医育振興会、(財)化学及血清療法研究所、県がん診療連携協議会、熊本日日新聞社。後援は、熊本県、熊本市、熊本県医師会、熊本大学医学部。
 約470人が参加。肥後医育振興会常任理事で熊本大学大学院医学薬学研究部の遠藤文夫教授が司会、同研究部の山本達郎教授が座長を務め、がんに伴う身体や精神の苦痛を和らげる「緩和ケア」の現状などについて、専門医ら4人が身近な事例を交え、講演した。引き続き行われた「Q&Aコーナー」には講師全員が登壇、会場の質問に答えた。要旨を紹介する。

セミナーには約470人が参加。講師らの話に皆、熱心に耳を傾けていた
Q&Aコーナーには講師4人がそろって登壇、会場の質問に答えた

Q&Aコーナー

在宅緩和ケアに保険は適用されますか。
適用できます。医師や看護師が患者宅を訪問するのはもちろん、最近は、薬剤師が薬を持っていき、服用指導を行うことも保険適用の範囲内で可能です。在宅緩和ケアの費用が、入院と比べて特に割高になることはありません。

緩和医療では、患者が希望する治療を取り入れてくれますか。
最近は化学療法が進歩し、症状を抑える治療に効果を挙げています。余命を縮める可能性がなく、治療医から科学的根拠に基づく説明を受けた後に、緩和ケアスタッフとよく相談した上で選択肢の一つにしてもよいかと思います。ただし、一般病棟での医療に限ります。

緩和ケア病棟は満床ですか。
熊本ホスピス緩和ケア協会の情報では、1―3週間程度の待ちがあるようです。早めの申し込みをお勧めします。

抗がん剤により、体が疲れています。改善する良い方法は。
状により、薬剤を変更したり、はり・きゅうや漢方などの代替療法を併用したりすることもあります。効果があるかどうかは個人差がありますので、まず担当医師に尋ねてみてください。

認知症高齢者の在宅緩和ケア支援ネットワークづくりの現状などは。
介護施設で患者をみとるケースも、最近は増えているようですが、在宅で患者を支えていくためのネットワーク整備が急がれます。公的では行き届かない部分のボランティアづくりも必要になってくるのではないでしょうか。

自閉症の息子ががん手術を受けることに。しかし、医師との会話がうまくいきません。
病院には、医療ソーシャルワーカーがいます。この人たちはかなりのトレーニングを積んでおり、医師と患者の良き仲介役になってくれます。一度、相談してみてはいかがでしょう。

主人が末期のがんです。私自身も、どう前向きに生きていけばよいか分かりません。
ご家族の不安、落ち込みにどう向き合っていくか、決して無視できない問題です。例えば、患者本人をケアしている精神科医が、家族のカルテも作って対応するといったことも必要と思います。