肥後医育塾公開セミナー

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平成27年度 第1回公開セミナー「泌尿器科の病気を知ろう!」

司会・講師


肥後医育振興会 理事長 熊本大学名誉教授 医療法人桜十字病院 総院長
西 勝英


    肥後医育振興会 理事長 熊本大学名誉教授 医療法人桜十字病院 総院長
    西 勝英

【司会】
肥後医育振興会 常任理事 熊本大学大学院生命科学研究部小児科学分野 教授
遠藤 文夫

    【司会】
    肥後医育振興会 常任理事 熊本大学大学院生命科学研究部小児科学分野 教授
    遠藤 文夫

【講師】
熊本大学大学院生命科学研究部 泌尿器科学分野 助教
杉山 豊

演題:講演@ 急増する前立腺がん
    【講師】
    熊本大学大学院生命科学研究部 泌尿器科学分野 助教
    杉山 豊

    演題:講演@ 急増する前立腺がん
【講師】
国保水俣市立総合医療センター 泌尿器科 医師
岡 保伸

演題:講演A 男性の排尿障害 〜前立腺肥大症について〜
    【講師】
    国保水俣市立総合医療センター 泌尿器科 医師
    岡 保伸

    演題:講演A 男性の排尿障害 〜前立腺肥大症について〜
【講師】
平山泌尿器科医院 副院長
里地 葉(さとじ よう)

演題:講演B 女性の排尿障害 〜過活動膀胱、尿失禁について〜
    【講師】
    平山泌尿器科医院 副院長
    里地 葉(さとじ よう)

    演題:講演B 女性の排尿障害 〜過活動膀胱、尿失禁について〜
【講師】
熊本泌尿器科病院 泌尿器科 医師
谷川 史城(ふみき)

演題:講演C 尿管結石症について 〜診断と治療〜
    【講師】
    熊本泌尿器科病院 泌尿器科 医師
    谷川 史城(ふみき)

    演題:講演C 尿管結石症について 〜診断と治療〜
【座長】
熊本大学大学院生命科学研究部泌尿器科学分野 教授
江藤 正俊

    【座長】
    熊本大学大学院生命科学研究部泌尿器科学分野 教授
    江藤 正俊

セミナーの内容

  第55回肥後医育塾公開セミナー「泌尿器科の病気を知ろう!」が8月22日、熊本市中央区のホテル熊本テルサであり、約400人が聴講した。公益財団法人肥後医育振興会、一般財団法人化学及血清療法研究所、熊本日日新聞社主催。
 セミナーに先立ち、肥後医育振興会の西勝英理事長があいさつ。同振興会の遠藤文夫常任理事が司会、熊本大学大学院生命科学研究部の江藤正俊教授が座長を務め、4人の講師が近年急増している前立腺がんや、前立腺肥大症、排尿障害、尿管結石症に焦点を当て講演した。

約400人が聴講した第55回肥後医育塾公開セミナー=熊本市中央区のホテル熊本テルサ
講演@図
講演A図
講演B図
講演C図

Q&A「あなたの質問にお答えします」

前立腺肥大症から前立腺がんになりますか。
男性ホルモンが影響している点で共通するところはありますが、前立腺肥大症からがんに進展することはありません。前立腺の内側の内腺が肥大するのが前立腺肥大症で、前立腺がんは、外側の外腺に発生することが多いです。全く別物と考えてください。ただ、前立腺肥大症と前立腺がんを合併している方は多く見られます。

75歳・男性。夜、トイレに行く回数が3〜4回もあります。病院で処方してもらった薬を服用すると、1〜2回に減り、やめると元に戻ります。薬は一生服用しなければならないのですか。他に方法はありませんか。
前立腺肥大症の薬は風邪薬などのように、症状が良くなったら服用をやめていいというものではありません。薬が作用し続けることで、症状が改善できるためです。手術を受けた人は、服用しなくても改善する場合がありますが、手術にはリスクもあります。適用は慎重に決める必要があります。

過活動膀胱で坑コリン薬を服用中です。薬を飲まないと症状が元に戻るので継続していますが、副作用が心配です。
坑コリン薬は医療現場での使用経験が長い薬なので、有効性・安全性は確立していますが、確かに副作用もあります。便秘や口腔内乾燥感で、ただの喉の渇きとは少し違い、口の中がベトベトする感じです。また、霧視(むし)という霧がかかったように見えにくい状態、女性には少ないのですが尿が出にくくなる、認知症の症状が進行してしまうこともあります。副作用が気になるときは、処方した医師に相談してください。最近の坑コリン薬は、このような副作用が少ないものが多くなっていますので、あまり怖がらずに、出てきた症状を医師に話し、治療するのがいいと思います。

76歳・男性。十数年前、尿管結石症で入院したことがあります。再発するかもしれないといわれましたが、その気配はありません。今まで通りの生活でいいでしょうか。
尿管結石症は5年間で半分の方が再発する病気です。ぜひ泌尿器科を受診し、今どうなのか調べてみることが大事です。受診の結果に基づいて、定期検査でいいようなら、半年に1回か、1年に1回、泌尿器科にかかるようにしていただければと思います。

60歳・男性。尿管結石を早く自然に流す効果のある薬はありませんか。
漢方薬や薬草成分を含む薬が保険適用でありますが、石を早く流せるという確実な検証がなされていない状況です。