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平成21年度 第3回公開セミナー「あなたの身近にある肝臓の病気」

司会・講師

【司会】
肥後医育振興会常任理事・熊本大学大学院生命科学研究部小児科学教授
遠藤 文夫

【講師】
熊本大学大学院生命科学研究部消化器内科学講師
田中 基彦

演題:〈講演1〉知らないうちにかかっているかもしれない肝臓病
【座長・講師】
熊本大学大学院生命科学研究部消化器内科学教授
佐々木 裕

演題:〈講演2〉知っておきたい肝臓病の治療
【講師】
東京女子医科大学消化器内科教授
橋本 悦子

演題:〈講演3〉メタボリック症候群としての肝臓病
【講師】
水俣市立総合医療センター栄養科長
山下 茂子

演題:〈講演4〉肝臓病にならないための食事、良くする食事
【座長】
RKK熊本放送報道制作局放送部次長・アナウンサー
福島 絵美

セミナーの内容

  第39回肥後医育塾公開セミナー「あなたの身近にある肝臓の病気」が2月13日、熊本市の崇城大学市民ホール(熊本市民会館)で開かれ、約250人が参加した。主催は、公益財団法人・肥後医育振興会、(社)日本肝臓学会、熊本県肝疾患診療連携拠点病院(熊大病院)、(財)化学及血清療法研究所、熊日。
 肥後医育振興会常任理事で熊本大学大学院生命科学研究部の遠藤文夫教授が司会、同研究部の佐々木裕教授とRKK熊本放送の福島絵美アナウンサーが座長を務め進行。佐々木氏を含めた専門医ら4人が、肝臓の機能や検査、肝臓病の最新治療法のほか、メタボリック症候群と肝臓病とのかかわりや肝臓の病気を防ぐ食生活などを紹介した。続く「Q&Aコーナー」では、来場者から事前に寄せられた質問に答えた。要旨を紹介する。

肝臓病の専門医ら4人が講演した肥後医育塾公開セミナーの会場 =熊本市の崇城大学市民ホール
「Q&Aコーナー」では講師全員が登壇し、会場から寄せられた質問に回答した

Q&Aコーナー〜会場と質疑応答〜

メタボに関連する肝臓病の早期発見法は。
代表的なものが脂肪肝で、ほとんどの場合、肥満が基礎にあります。体重の多い方は、AST(GOT)、ALT(GPT)などの肝障害の指標、血糖、コレステロール、中性脂肪などの糖や脂肪代謝の指標を血液検査で調べましょう。肝障害の指標に異常がなければ、ひとまず問題はありません。エコー検査で脂肪肝かどうかを調べることも大事です。

検診でγ‐GTPだけ高い数値が出ました。お酒はまったく飲みませんし、食生活のバランスにも気を付けています。原因が分かりません。
非アルコール性脂肪肝か、それが一歩進んだ非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)の可能性があります。しかし、それ以外の肝疾患も考えられますので、一度、専門医に詳しく診てもらってください。

γ‐GTPが高くないNASH、脂肪肝は、どのくらいの割合でありますか。
非アルコール性脂肪肝やNASHでは、γ‐GTPが高くない人は全体の半数を占めます。γ‐GTPだけを脂肪肝やNASHの指標にしない方がよいでしょう。

妻が脂肪肝と診断されて5年になります。改善できなければ、このまま肝硬変に移行するのでしょうか。
非アルコール性脂肪肝のうち、2割はNASHになります。NASHか脂肪肝かは、「肝生検」をしなければ判断できません。NASHを放置すれば5〜10年ほどで1〜2割の人が肝硬変になります。肝生検を受けられることが重要です。

脂肪肝といわれました。改善食を教えてください。
ジュース類やお菓子、アルコールなど、エネルギーの高い食品の取り過ぎが原因です。一日の総量を考え、食事は三食きちんと食べて、ご飯のほかに、肉、魚、卵、豆腐などを、毎食一品だけ加えましょう。必ず野菜や海草類も添えてください。十分改善できます。

C型肝炎ウイルスの抗体が陽性のとき、肝がんにならないようにするには、どうすればよいですか。
抗体陽性の中には、過去に感染して治ってしまった方も含まれます。まずC型肝炎ウイルスが残っているかどうかを確認し、残っていれば、肝臓病がどの段階にあるかを確かめ、肝炎を沈静化させる治療が必要です。インターフェロンなどの治療法があります。専門の医療機関を受診されることをお勧めします。