まいらいふのページ

2008年 「まいらいふ」9月号

離乳食の進め方

個人差大きい離乳の過程

 育児相談の時に多く受ける質問の一つが、離乳食の進め方です。最近は、離乳食の開始や完了の時期がともに以前より遅くなる傾向にあります。
 離乳食の目標は、1歳半ごろまでに栄養のほとんどを固形食として取れるようになることです。そこまでの過程は個人差が大きいので、早い遅いはあまり気にしない方が良いのです。育児雑誌などにも載っている食べ方や量の目安はあくまでも参考程度です。離乳が早く進んでも赤ちゃんが優秀なわけではありません。
 2007年3月に厚生労働省から「授乳・離乳の支援ガイド」が発表され、離乳食の進め方の目安が示されています。そこには、以前との違いがいくつか認められます。その主なものを挙げてみると、?母乳やミルクを飲みたいだけ与える、また、それらを離乳の完了時に無理にやめさせる必要はない?離乳の準備として果汁などを与える必要はない?食べる量や進み方には個人差がある?離乳食の完了を1218カ月ごろと余裕を持って考える、などです。


無理してやめなくていい母乳やミルク

 母乳やミルクを十分に与えることによって、離乳の開始はゆっくりになるようです。5ー7カ月ごろの赤ちゃんは、口に入ったものを押し出す反射が次第に弱くなります。するとスプーンを使って食べさせやすくなります。その時期まで待つと、離乳が少し上手に始められます。母乳やミルクは親子のスキンシップにも重要なので、離乳が進んでも赤ちゃんが欲しがればあげてかまいません。
 離乳食は、親が食べているものに手を加えて作るようにすると簡単ですし、偏りも少なくなります。離乳食を作るのが負担に感じられる時は、市販の離乳食も試してみてください。離乳食の進め方や作り方のヒントになります。
 食べる量がなかなか増えないことも、親の悩みの一つのようです。しかし、「離乳に失敗した小学生がミルクしか飲まない」という話は聞いたことがありません。いずれは完了するので、あせることはありません。


大切な離乳完了ごろの“手づかみ食べ”
熊本大学医学部附属病院
小児科
助教 中村公俊

 離乳完了ごろ、赤ちゃんは手づかみで食べたがるようになります。この“手づかみ食べ”は、目と手と口の協調運動を発達させるために大切だといわれています。また最近は、食物アレルギーを気にする親が増えています。食物に気を配ることは大切です。しかし思い込みでいくつもの素材を排除して、栄養の偏りが生じていることがあります。卵などの除去食は医師の指導を受けながら行ってください。
 離乳食を進めることは、それだけ親が食べている食事に近づいていくことです。その中で、家族が一緒のものを食べる一体感が養える食事の環境づくりにも気を配ってみてください。


Q&A
3歳の男の子です。ウンチが硬くてなかなか出ません。1歳半ぐらいからだんだん便が硬く大きくなり、最近はウンチの時は痛がって大変です。便秘の薬は癖になると聞きましたので使いたくありません。どうしたらいいでしょうか。
熊本大学大学院
医学薬学研究部 
小児科 
准教授 三渕浩

 まずは食事と排便習慣の確立が大事だと思います。野菜や根菜類、こんにゃく、海藻などをたくさん食べて、腸の動きをよくすること。リンゴ、バナナ、ミカンなど果物類も効果があります。加えて、水分をたくさん取ることも重要です。
 3歳の男の子ならば、外で思いっきり遊ばせることも大事です。そういう生活をしながら、朝食後か夕食後、必ず便器に座らせて、排便を促します。トイレは楽しい雰囲気がいいですが、おもちゃがあまり多いと気が散ってしまいます。
 それでもうまくいかない時は、何か病気が隠れていないか医療機関に相談しましょう。時にはかん腸や内服薬も必要です。短期間の薬の使用は問題ありません。大きなウンチが腸にたまっていると悪循環に陥って、食生活の調整だけではよくなりません。適切な薬物を十分に使用することも、早くよくなるコツです。