まいらいふのページ

2009年 「まいらいふ」3月号

ヒブワクチンによる予防接種

予防接種は生後2カ月以後の早い時期に

 ヒブワクチンは、このインフルエンザ菌b型の感染を予防することを目的としています。外国の例では、ヒブワクチンを使用するようになった結果、インフルエンザ菌b型にかかる子どもは、それまでの数十〜百分の一程度に減り、髄膜炎で亡くなる子どもも減りました。
 b型菌による髄膜炎は0歳の赤ちゃんに起こりやすいため、予防接種は生後2カ月以後の早い時期に始めることが勧められています。生後7カ月未満の赤ちゃんでは、初回3回と追加1回の合計4回の接種が必要です。医師が必要と認めれば、同じような間隔で接種を行う三種混合の予防接種などと同時に接種することもできます。また、7カ月から1歳未満までに初めて受ける場合は合計3回、1歳以降に初めて受ける場合は1回のみの接種となります。5歳以上ではほとんどの子どもが免疫を持っているため、ヒブワクチンの予防接種は必要ありません。


接種にはかかりつけ医などでの登録が必要
熊本大学医学部附属病院
小児科
助教 中村公俊

 ヒブワクチンの接種によって起こる副反応は他のワクチンと変わりなく、接種したところの腫れや痛み、発熱や食欲低下などです。多くは接種後2日目までに見られ、数日でよくなるようです。
 また、ヒブワクチンは保護者の希望によって受ける有料の予防接種となっています。日本ではヒブワクチンが使われ始めてからまだ時間がたっていないので、予防接種にはかかりつけ医などでの登録が必要です。そのため、いつでも好きなときに予防接種を受けることはできません。ヒブワクチンの予防接種は、かかりつけ医に相談した上で計画を立ててください。


Q&A
5歳(幼稚園年長組)の息子は、時間はまちまちながら、4歳までは毎日排便していました。それが、幼稚園に行きだして便秘がちになり、今は4〜5日に1度の排便です。牛乳やヨーグルト、チーズをほぼ毎朝食べさせていますが、よくなりません。何か異常があるのでしょうか。
熊本大学大学院
医学薬学研究部 
新生児学寄附講座 
特任教授 三渕浩

 4歳まで便秘ではなかったとのことですから、生まれつきの病気は考えにくく、生活の変化が引き金になっているように思います。幼稚園に行き始めることも便秘の原因になりやすいものです。それまでは、水分摂取や排便、体を動かすことも時間的に自由でしたが、幼稚園ではある程度制限されます。水分が不足したり、排便をがまんする習慣がつくと、便秘の原因になります。お子さんによっては、幼稚園生活が精神的なストレスになることもあります。
 また、食習慣として、牛乳、ヨーグルト、チーズなどの乳製品は便秘によいと思われがちですが、逆に便秘の原因になることもあります。まずは野菜、果物、根菜類などの食物繊維と水分をたくさん取らせて、毎日適度な運動をさせましょう。トイレにも毎日行く習慣をつけさせましょう。朝に時間がなければ、トイレは夜でもかまいません。それでよくならなければ、乳製品を減らしてみてはどうでしょうか。お悩みのときは、かかりつけの小児科医に相談するのもよいでしょう。