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2008年 「まいらいふ」8月号

不登校気味の中2の娘。うちに男子学生が出入りのうわさが・・・

今回のご相談 39歳 母

 家族で商売をしている私たちを支えてきたお姉ちゃん(中2)。最近不登校気味になり、悩んでいたのですが、マンションの人から、「昼間、いろんな男子学生が出入りしている」と聞かされました。慌てて本人に確認すると、「そんなことない。私と他人とどっちを信じる!?」と強い口調で否定され、それ以上話すことができなくなりました。夫の実家の商売で、しゅうとへの気兼ねもあり、仕事を休むことができず、どうしたらいいのか、悩んでいます。


「あなた、どうなの!?」ではなく「お母さんは悲しい」と伝えては?一緒に悩んで、一緒に考える関係を築いて
くまもと心理カウンセリングセンター
臨床心理士
江崎百美子(ゆみこ)
尚絅大学講師
熊本社会福祉専門学校講師
熊本県エイズ派遣カウンセラー
スクールカウンセラー

 そんなうわさを耳にすれば「あなた、どうなの?」と問い詰めたくなりますよね。しかし、否定されるとそこから前に進むのが難しくなります。「(そんなうわさを聞いて)お母さんは悲しい」と、お母さんが自分の気持ちを表現し、「お母さんはどうしたらいいの?」と伝えてはどうでしょう。やり取りが少しずつ成立してくるかもしれません。そして、お嬢さんが自分たちにとって「どれだけかけがえない大事な存在か」、「だからこそ見過ごせないことがある」ということを伝えましょう。  ご相談の内容は、かなり差し迫った問題だと思われます。親御さんとしては大変悩まれるでしょうが、子どもは、親がうろたえたり、悩んだり、奔走したりしているのを目にすると、「自分のために時間や気持ちや労力をいっぱい使ってくれている」と感じるものです。言葉ではなく、態度で愛を感じるのです。  もしかしたら、お母さん自身もおしゅうとさんとの関係など、見つめ直す機会かもしれませんね。これだけの大事です。おしゅうとさんに気兼ねせず、「(娘のことが心配だから)商売の手伝いは早めに切り上げて、家に帰ります」と本音で話せる関係になってほしいと思います。  お嬢さんにも、「一緒に悩んで、一緒に考えよう。たくさん話し合っていこう」と伝え続け、新たな関係を築いていくことが大切ではないでしょうか。