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2008年 「まいらいふ」11月号

うまくいかない娘とのコミュニケーション

今回のご相談 熊本市 48歳 母

高2の長男、中3の長女、中1の次女がいます。夫と私の間に生まれた3人ですが、それぞれに個性があり、面白いなと思っています。しかし、相性というのでしょうか、どうしても3番目の娘とうまくコミュニケーションできません。実は小さい頃から「少し苦手だな」と思っていたのですが、最近、次女から「どうせお母さんは私が嫌いなんだから」と言われてしまいました。この子とどう向き合っていけばいいのか、悩んでいます。


相性が悪くても「ウチの子」 ドーンと受け止め、「何を言っても大丈夫」な親子関係を
臨床心理士
植村孝子
はっとり心療クリニック
熊本電波高専非常勤カウンセラー
熊本県立大学非常勤カウンセラー

お嬢さんの言葉は、ショックでしたでしょう。それでも逆ギレしたり、ごまかしたりせずに、自分のすべきことを考えておられるのは、素晴らしいことです。自分を責める必要はありません。  子どもたちは、両親からのDNAをいろんな組み合わせで引き継ぎます。その組み合わせによっては、きょうだいといっても相当異なる性格になるでしょう。「似ているから合う」、「自分と反対の傾向が強いから合わない」と感じたりすることがあります。この場合、「苦手」と感じている根源が、夫婦関係のズレということもあるので、この際、夫婦の間で話し合ってみては。この時大切なことは、お互いの違いを認め合うこと。愛するというのは、相手の人格を認めることがまず中心にあるからです。  次に、お嬢さんの発言の意味を考えてみましょう。中1のお嬢さんは、「お母さんは私を認めてくれるだろうか?」という「思春期の揺れ」を本気でぶつけているのです。「何を言おうと、この子は私の子」と思って、腰を落ち着けて話を聞いて下さい。そして「(親に)何を言っても大丈夫」というメッセージを伝え、そういう親子関係を築くことが大切だと思います。  家族は、社会の中の一番小さい単位。ある意味ライバルでもあるきょうだいや、親子といった個性集団の中で、どう距離を保ちながら、協力し、信頼関係を築いていくのか。家族の中で培った見えない力が、社会人になった時も、きっと生かされると思います。