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2009年 「まいらいふ」7月号

中2の息子の帰りが遅くなっているようで心配です

今回のご相談 熊本市 41歳

 中2の息子と小5の娘の母親です。長く仕事をしていますが、ここのところ人員が減らされ、担当する仕事が増えてしまい、最近は帰りが8時近くになることもあります。  家族に迷惑をかけないようにと努めてきましたが、どうしても夕食の準備も遅くなりがちです。その上、私の帰りが遅くなってから、中2の息子の帰りが遅くなっているようなのです。口止めされていた下の子から聞いたため、直接理由を問いただせずにいます。何をしているか分からず、不安です。来年は受験生になる大事な時期。もう仕事を辞めるべきなのかと悩んでいます。


子どもの意見も聞き、家族で話し合いましょう。一人で頑張り、解決をあせらないで。
臨床心理士
植村孝子
はっとり心療クリニック
熊本電波高専非常勤カウンセラー
熊本県立大学非常勤カウンセラー

 家族に迷惑かけないようにと、仕事と家庭を一生懸命両立されてきたのですね。真面目で頑張り屋さんなお人柄が文面から伝わります。  国は、ワーク・ライフ・バランス(仕事と生活の調和)を推進していますが、その実践には課題も多く、仕事と家庭の両立に悩むお母さんは多いと思います。  まず、「子どもと仕事」という観点だけでなく、自分が働くことの意味を考えてみてはいかがでしょう。経済的な理由や自己実現など、さまざまな角度から検討して、自分がどうありたいかを整理する。そして、お子さんやご主人に、「自分が仕事についてどう考えているか」、「家族にどんな協力を頼みたいか」など、話してみましょう。その際に、お子さんにも意見を聞きましょう。お子さんは、意見を聞かれることで、自分が尊重されていると感じ、話に積極的に参加できると思います。そこで、仕事を続けることにしたら、「帰りが遅い日はお兄ちゃんがお弁当を買いに行く」など、協力の仕方を決めてはいかがですか。そうすることで、ご心配のお兄ちゃんにも自覚や責任が芽生えるのではないでしょうか。  家庭は、お母さん自身にとっても、ホッとする場でありたいですよね。弱音を吐いたり、助けを求めたりしても、良いのではありませんか?何もかも一人で頑張り、解決をあせらなくてもいいのです。お兄ちゃんは「受験」、お母さんは「仕事との両立」。当面の課題を乗り越えるため、家族で励まし合っていけたらいいですね。