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医療解説

学校検尿について  (1)腎臓病

熊本大学医学部附属病院小児科 仲里 仁史

 今まで元気いっぱいの子が、学校から突然『検尿で異常がみられました。精密検査を受けて下さい』と言われたらびっくりされることでしょう。学校では毎年いくつかの検診が行なわれていますが、学校検尿は尿の潜血、蛋白、糖の有無を調べることにより、子どもの腎臓病(特に慢性腎炎)と糖尿病の早期発見に貢献しています。ここでは学校検尿のうち腎臓病についてお話します。

 腎臓の病気、特に慢性腎炎は、はじめ症状が乏しく一見元気そうですが、放っておくと腎臓の働きが悪くなり、腎不全になってしまうこともあります。しかし、治療法の進歩により、早めに治療を行なうと、病気が治ったり、腎不全に進むのをくい止めたりすることができるようになりました。

<血尿といわれたら?>
 多くは特に症状のない血尿のみの「無症候性血尿」で、あまり心配はいりません。しかし、血尿が初めて見つかった場合や、肉眼的血尿(紅茶色やコーラ色の尿)の場合は精密検査が必要です。検査で異常がなければ生活の制限はありませんが、腎炎の始まりのこともあるので年3〜4回の検診(検尿)が必要です。
 
<蛋白尿といわれたら?>
 体を動かした後に蛋白尿が出る人があり、これを「体位性蛋白尿」あるいは「運動性蛋白尿」といいます。小学校高学年以降によくみられ、一種の体質で病気ではありません。朝起きてすぐの尿(早朝尿)が蛋白尿でなければ心配ないと考えられ、生活制限もありません。しかし、早朝尿で常に蛋白尿がみられる場合は腎炎の可能性も考えられますので精密検査が必要です。

<血尿+蛋白尿といわれたら?>
 慢性腎炎など腎臓病の可能性があります。腎臓の組織を少しとって調べる検査(腎生検)が必要になることがあり、病院受診をおすすめします。

 腎臓病の診断や治療は以前より進歩しています。精密検査をすすめられたからといって、必ずしも病気でない場合や、病気であっても治療でよくなる場合も多いので、必要以上に心配してはいけません。逆に、何も症状がないからといって、精密検査を受けなかったり、定期検診を忘れてしまわないようにすることが大切です。
 
 最後に、正しい検査結果を得るための採尿のポイントをお示しします。
1)必ず排尿して寝ましょう。
2)必ず朝起きてすぐに採尿しましょう。その際、少し排尿したあとの尿(中間尿)をとりましょう。