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医療解説

冬のこどもの嘔吐・下痢

熊本大学医学部附属病院小児科 中村 公俊

<原因と症状>
 こどもは嘔吐や下痢をするとすぐに元気がなくなります。ご家族も心配になることが少なくないでしょう。冬に流行する嘔吐や下痢の原因として最も多いのはウイルスです。特にロタウイルスとノロウイルスは症状や感染力の強さから注意が必要です。ノロウイルスは食中毒の原因としても知られていますが、食べ物以外からも手指やおもちゃなどを介してこどもから成人まで感染します。ロタウイルスによる嘔吐・下痢は3歳以下のこどもに多く見られ、白色や黄白色の便が特徴です。
 最初に発熱と嘔吐、それから下痢が始まることが多く、嘔吐は半日ほど続いた後に軽くなります。下痢は1日数回から十数回に及びます。下痢や嘔吐が続くとからだの水分が不足し脱水がおこります。脱水が進むと尿量が少ない、皮膚や口の中が乾燥している、うとうとしているなどの症状が見られます。こどもの嘔吐・下痢では、この脱水を防ぐことが重要です。

<嘔吐・下痢の治療>
 こまめに水分補給をおこないます。嘔吐があればスプーン1杯程度の少量の水分から始めて、20?30分ごとに少しずつ量を増やしながら飲ませて下さい。吐くようであればしばらく待ってもう一度試します。嘔吐や下痢を繰り返すとナトリウム、カリウムなどの電解質も失われます。湯冷ましやミネラルウォーターだけでは電解質の補給ができません。またスポーツ飲料は糖分が多く電解質が少ないため乳幼児の治療には適しません。3?4倍に薄めた味噌汁や、乳幼児用のイオン飲料を用いることがひとつの方法です。嘔吐や下痢を繰り返すときにはかかりつけ医に相談して下さい。便のついたおむつをビニール袋に入れ密封して持っていくと診断の参考になることがあります。脱水がひどい場合は点滴による治療が必要です。いっぽうで、下痢が続くとおむつかぶれを起こすことがあります。ウェットティッシュでおしりをよく拭いたあとティッシュなどで水分を拭き取り、おむつをこまめに替えて下さい。

<嘔吐・下痢の対策ポイント>
水分を少しずつ与えて脱水を防ぎましょう。
吐いたものや便を処理したあとは石鹸を使い十分に手洗いをしましょう。
嘔吐・下痢を繰り返すとき、脱水を起こしているときはかかりつけ医に相談しましょう。