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「あれんじ」 2011年6月4日号

【ママの心配・不安に応える 子育て応援クリニック】
子どものチック

 まばたきや首振りの繰り返しなど気になる動作が子どもに続くとき、チックかもしれないと思うことはありませんか。育児に問題があるのではと、間違った心配をされることもあります。今回は「子どものチック」についてお伝えします。

「チック」とは?

 チックとは、まばたき、首振り、肩すくめや、音や声を出すなどの動作を、無意識に繰り返すことです。この動作は、本人が気をつけて止めることができますが、ほかのことに注意が向くとまた起こります。子どもの約10人に1人が経験するといわれており、比較的よく見ることのある症状です。


周囲が気をつけること

 幼児期から学童期に多く、1年以内に自然に消えることがほとんどです。生まれつきの脳の仕組みによって起こり、育て方が原因ではありません。しかし、チックには配慮が必要です。まず、チックをやめるように言わないことが大切です。自然に消えることがほとんどなので、注意せず、しからずによくなるのを待ちましょう。また、チックに対する本人の不安を取り除くことも必要です。


治療が必要なチック

 中には、声が出てしまう、動きが激しいなど、日常生活に影響が出ることがあります。この場合、かかりつけ医と相談しながらチックを抑える訓練を行うこともあります。簡単には、
@鏡で自分のチックを観察する
Aチックを抑える動作を練習する
Bこの観察とチックを抑える動作ができていることをほめる
といった訓練です。
 さらに症状が強く1年以上続くものはトゥレット症候群と呼ばれ、薬を使った治療を行うことがあります。


熊本大学医学部附属病院
小児科
講師 中村公俊

 ほとんどのチックは自然によくなるものなので、周囲が心配しすぎないことが大切です。注意せず、しからずに受け入れるように心がけましょう。