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「あれんじ」 2018年5月5日号

【ママの心配・不安に応える 子育て応援クリニック】
アタマジラミ

 アタマジラミが流行することがあると聞きました。

清潔にしていても起きる感染

 シラミと聞くと、「不潔」や「汚い」などの言葉が思い浮かぶのではないでしょうか? しかしアタマジラミは、不衛生な生活環境が原因で広がるわけではありません。清潔にしていても幼稚園、保育園、小学校などで子どもの髪と髪が触れあう機会が多い場所、姉妹・友達がくしを共用する場合などに感染します。

 国立感染症研究所によるアタマジラミ寄生の実態調査では、アタマジラミ症発生世帯数は、国内約83万世帯(年間)と推計されています。


約2週間の治療・対策で駆除

 典型的な症状は、後頭部を中心とした激しいかゆみです。詳しく観察すると髪の毛の根元に卵や成虫が見つかります。子どもが後頭部をかゆがっている時、早めに卵を見つけることが早期治療につながります。卵を見つけても慌てず、適切に治療すれば心配いりません。

 駆除対策は、ブラシを用いた洗髪と専用の梳きくしによる虫卵の除去、卵が付いている髪の毛の切除、散髪(極端に短くする必要はありません)、枕カバー・シーツ・タオルなどの毎日の取り替え、シラミ駆除剤の使用などで、2週間ほどで除去できます。詳しくは、熊本市健康福祉局のホームページなどに記載されていますのでご確認ください。

 本人がショックを受けたりいじめにつながったりすることもあります。文科省からは「通常出席停止の必要はないと考えられる伝染病」として例示されています。大人が正確な知識を持って対応してあげましょう。


後頭部をかゆがっていたら髪の毛の根元の観察を
熊本大学大学院生命科学研究部小児科学分野
松本志郎 准教授