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「あれんじ」 2018年1月13日号

【四季の風】
第40回 ラグビー

 水泳は夏、スキーやスケートはもちろん冬。それは、すぐわかる。でも、野球やテニスは年中やっていて、とくに季節感はない。ところがラグビーとサッカーは、歳時記では「冬」。そういわれれば北風が吹き抜ける中、白い息(これは冬の季語)を吐いて激突するラグビーは、全体として何となく冬の感じ。剣道・柔道・弓道などの「寒稽古(かんげいこ)」の厳しさとラグビーの激しさが、どこか冬らしくイメージが似てもいる。さらに、高校や大学などラグビーの全国大会もお正月のころである。

ラガー等のそのかちうたのみじかけれ   横山白虹

 一句目は、ラグビーの代表句のような名句。汗まみれ泥まみれになって目に涙をうかべ拳(こぶし)をつきあげて大声で勝利の歌をうたう。これこそラグビーのクライマックスシーン。その瞬間をとらえた、若々しい歓喜の一句。なお、「ラガー」とは元は「ラグビー」のことだが、わが国ではラグビー選手のことをいう。


眉の根に泥乾きゐるラガーかな     三村純也

 二句目は、闘志みなぎる眉についた泥に注目した、的確な写生句。


ラグビーの頬傷ほてる海見ては     寺山修司

 三句目は、寺山修司らしい、少し翳(かげ)のある横顔の青春俳句。