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「あれんじ」 2017年5月6日号

【元気!の処方箋】
「頭痛持ち」になりたくない! 頭痛のタイプを正しく知ろう

 「頭痛持ち」という言葉があるように、頭痛は慢性化し、繰り返すことが多いようです。「また来た」と、いつもの薬を飲む…。そんな慣れた対処法がもしかしたら間違っているかもしれません。

 今回は、頭痛のタイプ別の特徴や治療法、気をつけたいことなどをお伝えします。(取材・文=坂本ミオ)

【はじめに】いろいろある頭痛 緊急を要する場合も
【表1】頭痛の種類と原因/慢性頭痛の有病率(15歳以上)

 ひと口に「頭痛」といっても、さまざまなものがあります。

 大きくは、頭痛そのものが病気である「一次性頭痛(慢性頭痛)」と、他の病気が原因で頭痛がする「二次性頭痛」に分けられます(表1)。

 二次性頭痛はくも膜下出血や脳動脈解離などによる頭痛で、緊急を要します。以下のような症状があれば、すぐに専門医を受診する必要があります。

□ 頭痛がどんどんひどくなる
□ 激しい頭痛が急に起きた
□ 経験したことのない痛み
□ 発熱している
□ 意識障害が起きている
□ 40歳以降に頭痛を発症

 「頭痛持ち」と言われるのは、一次性頭痛(慢性頭痛)のことです。


【一次性頭痛(慢性頭痛)】タイプで異なる痛みの特徴や頻度、周期など
【表2】一次性頭痛の種類と特徴

 命の危険に直結することが多い二次性頭痛に対して一次性頭痛(慢性頭痛)は、「単なる頭痛ですね」と、重く受け止められない傾向があります。

 しかし一次性頭痛は、頭痛そのものが病気であり、複数のタイプの頭痛を併せ持つ場合や悪化させているケースも多く、本人にとっては苦しく、生活の質を著しく下げるものです。その主なものを表2に記しています。


【注意したいケース】

【慢性連日性頭痛】
〜急性期治療薬の乱用などが原因に

 慢性頭痛の中でも、「1日4時間以上の頭痛が、1カ月に15日以上出現する頭痛」を慢性連日性頭痛と呼んでいます。一般人口の3〜5%、頭痛外来受診者の30〜80%程度と言われており、

●女性に多い
●多くは片頭痛が経年的、あるいは薬物の影響を受けて変容した状態(変容型片頭痛)
●心理的・社会的ストレスに加えて、頭痛に対する急性期治療薬の乱用により慢性化
●他の疾患(例えば関節リウマチなど)に対して鎮痛薬を使用した場合でも頭痛が慢性化
●群発頭痛から慢性連日性頭痛に至ることはない

といった特徴があります。

 月に半分以上頭痛があるという方は、一度専門医を受診することをお勧めします。

【薬物の使用過多による頭痛(薬物乱用頭痛)】
〜痛み止めを予防的に内服しないように

 毎日だらだらと続くことから緊張型頭痛と診断されている症例の中に、痛み止めの飲み過ぎから難治性の頭痛に陥っている薬物の使用過多による頭痛(薬物乱用頭痛)の場合ががあります。

 激しい片頭痛では、薬を飲み遅れると嘔吐(おうと)してしまうため、「頭痛が来そうだから予防的に痛み止めを飲む」ことを勧めていた時代も15年以上前にはありました。しかし今は、「痛み止めを予防的に内服しない」が原則になっています。

 薬物乱用頭痛の診断基準に沿って診断してもらい、

❶ 原因薬物の中止
❷ 薬物中止後に起こる頭痛への対処
❸ 予防薬投与

の治療で、改善を図ります。


【治療】それぞれのタイプに応じた治療を

 頭痛の種類によって異なりますが、適切な治療薬を適切なタイミング、量、頻度で使用することが大事です。

◎片頭痛
 頭の痛いときに使われる頓挫薬(とんざやく)と、片頭痛を起きにくくする効果がある予防薬を組み合わせた治療を行います。

◎緊張型頭痛
 鎮痛剤や筋弛緩剤などの薬物療法と、マッサージや温熱療法、体操などの理学療法、ストレス解消などの心理療法を組み合わせて治療します。

◎群発頭痛
 発作時に使われる急性期治療薬と、発作が起きにくくする予防薬を使います。また、アルコールが頭痛を誘発するため、禁酒することも大事です。


【終わりに】“肩のこらない”生活を心がけて

 慢性連日性頭痛になりやすい片頭痛を防ぐには、“肩のこらない”生活をしましょう。肩こりは、心身へのストレスが原因で起きます。つまり、ストレスや過労を避けることが大事なのです。

 また、睡眠不足も寝過ぎも頭痛を誘発します。ですから、土日が休みという人の場合、月曜から金曜はイライラせずに睡眠を確保し、週末は寝過ぎないよう心がけましょう。

 体を休めようと寝だめし、頭痛で休日を台無しにしてしまわないようしたいものです。


話を聞いたのは
熊本市民病院
橋本 洋一郎
首席診療部長
神経内科部長
  
・日本頭痛学会 専門医、指導医
・日本脳卒中学会 専門医
・日本神経学会 神経内科専門医、指導医
・日本リハビリテーション医学会 専門医
・日本内科学会 認定医、指導医
・日本プライマリ・ケア連合学会 認定医、指導医
・熊本大学臨床教授