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「あれんじ」 2016年9月3日号

【ママの心配・不安に応える 子育て応援クリニック】
気管支ぜんそく

Q.風邪を引いた後なかなか治らず、いつまでも咳をし、呼吸時に音がします。ぜんそくなのでしょうか。

息を吐く時の音や吐く時間の長さに注意

 子どもの気管支ぜんそくでは、息を吐く時にヒューヒュー、ゼイゼイという喘鳴(ぜんめい)が聞こえます。その原因は、ダニやほこり、カビなどによって気管支の粘膜が刺激されて生じる慢性の炎症です。

 このように長く続く炎症が起こると、気管の粘膜が腫れて空気の通り道が狭くなります。同時に気管支の周囲にある筋肉が反応して縮み、たんが多くなり、空気の通り道が狭くなってしまいます。そのために、呼吸が苦しく、ヒューヒュー、ゼイゼイという音が聞こえるのです。

 ぜんそくの症状には、喘鳴の他に、息を吸う時に首筋や胸がくぼむ陥没呼吸、息を吐く時間が長くかかる呼気延長などがあります。

 きつくて横になれない、顔色が悪くなるなどの症状が見られたら、直ちに病院で吸入や点滴などの治療が必要です。


感染症の流行に合わせ、うがい、手洗い、マスクを

 治療には長期の管理も重要です。年に数回の症状が見られる程度であれば、症状が出た時だけ治療を行えばよいとされています。しかし、毎月のように症状が出る場合には、普段からアレルギーの薬を飲んだり、吸入薬を使ったりして、症状が出ないようにする治療が有効です。

 ぜんそく発作のきっかけが風邪症状であることは少なくありません。うがい、手洗いやマスクなど、感染症の流行に合わせた予防も大切です。

 また、ダニやペット、家族の喫煙などがアレルギー反応を悪化させて、気管支ぜんそくの原因になっているといわれています。環境整備や家族の禁煙などにも取り組むとよいでしょう。


風邪がきっかけになることも。ダニやペット、家族の喫煙も原因に
熊本大学大学院
生命科学研究部
小児科学分野
准教授 中村公俊