あれんじのページ

「あれんじ」 2016年3月5日号

【ママの心配・不安に応える 子育て応援クリニック】
貧血

Q.貧血と言えば女性のイメージがあり、子どもが貧血気味だと言われて、びっくりしました。どうしてなるのか教えてください。

食事の変化、急激な成長に伴い進むことも

 貧血とは、血液の成分である赤血球に含まれるヘモグロビンというたんぱく質の量が減った状態です。

 ヘモグロビンには体中に酸素を運ぶ大切な働きがあります。そのため貧血になると、体に酸素を運ぶ働きが減って顔色が悪くなったり疲れやすくなったりします。

 貧血の原因には、赤血球をつくる働きが減る、ヘモグロビンの材料である鉄の摂取が減る、赤血球が分解される溶血が促進する、溶血や出血などで赤血球が失われる、などが挙げられます。

 子どもでは食事の変化や急激な成長に伴って貧血になることがあります。乳児期後半、離乳食の開始が極端に遅いと鉄の摂取量が減ってしまいます。母乳中の鉄の含有量が少ないためです。また、牛乳の摂取量が多いとそれ以外の食事量が減ることがあります。牛乳の鉄含有量も少ないため鉄の欠乏を起こしやすくなります。

 思春期は身体が急激に成長し、女子では月経が始まり、ダイエットを行う場合もあるため、鉄欠乏による貧血が進みやすい時期です。


果物や野菜を一緒に取れば鉄の吸収を促進

 子どもの貧血は鉄の欠乏が原因になっていることが多いと言われています。子どもの成長や発達にも影響するという報告もあるので、貧血には注意が必要です。

 まずは食事から十分な鉄を摂取するようにしましょう。同じ量の鉄が含まれていても、肉や魚に含まれる鉄は吸収されやすく、野菜などに含まれる鉄は吸収されにくいことが知られています。また、ビタミンCを含む果物や野菜を一緒に摂取すると鉄が吸収されやすくなります。

 貧血の程度が強い時は鉄剤の内服を行うことがあります。貧血の程度や治療の目安は、かかりつけ医に相談してください。


熊本大学大学院
生命科学研究部
小児科学分野
准教授 中村公俊

鉄の欠乏が原因になることが多い子どもの貧血