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「あれんじ」 2015年12月5日号

【ママの心配・不安に応える 子育て応援クリニック】
やけど

Q.やけどをさせないよう気を付けていますが、もしもに備えて、応急処置の方法や病院に連れて行くときの注意などを教えてください。

できるだけ早く十分に冷やして

 寒くなってお湯や暖房器具を使う機会が増えると、やけどの危険も増してきます。

 子どもの皮膚は薄いため、深いやけどを起こしやすいです。湯たんぽなどの比較的低温なものに長時間接しているときも、皮膚の深いところまでやけどが進んでいることがあります。

 やけどは予防が一番ですが、起きてしまった時には最初の対応が大切です。できるだけ早く十分に冷やしましょう。やけど部分の痛みがとれるまで、流水で10〜20分ぐらいかけて冷やしてください。衣服を着た状態で熱湯などを浴びた時は、服のまま浴室で水をかけましょう。

 冷やしながら、他の部分にもやけどがないか観察してください。また、体の広い面積を冷やすときは、低体温にも注意が必要です。十分に冷やした後に、やけどの部分を見てみてください。どこをやけどしたか分からないときや、うっすらと赤く色が変わっているだけのときは、やけどは浅く、あとが残らずに治ってしまうことが多いです。


水ぶくれや範囲の広さを目安に医療機関へ

 病院へ連れて行く目安は、やけどの深さと広さです。水ぶくれができているときは比較的深いやけどかもしれません。強い痛みを伴うことも多いので、できるだけ早くかかりつけ医や救急病院へ連れて行ってください。また、浅いやけどのようでも、子どもの手のひら10個分以上ぐらいの広い面積のときは、医療機関で診てもらったほうがよいでしょう。

 最も大切なのは、やけどしないよう予防をすること。お湯、調理器具やアイロンなどは手の届かない所に置きましょう。テーブルクロスを引っ張って、奥に置いてあったお湯でやけどをしてしまうこともあります。子どもの目線で危険がないか、もう一度確認してみてください。


冬の子育てで気を付けたい「やけど」 子どもの目線で危険がないか確認を
熊本大学大学院
生命科学研究部
小児科学分野
准教授 中村公俊