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「あれんじ」 2013年2月2日号

【ママの心配・不安に応える 子育て応援クリニック】
ひどい鼻づまり

 鼻汁が出たり、鼻がつまったりする子どもが多い季節です。ひどい鼻づまりにならないよう、気をつけたいものです。

鼻づまりの原因

 子どもの鼻づまりは、感染やアレルギーなどによって鼻粘膜が腫れて起こります。かぜウイルスなどによる急性の鼻炎が多く、数日で治ることがほとんどです。幼児期以降は副鼻腔炎やアレルギー性鼻炎などによってひどい鼻づまりが長く続くことがあります。


症状と治療

  膿性鼻汁と呼ばれる粘性の黄色っぽい鼻汁が出るときには、副鼻腔炎を起こしているのかもしれません。額や頬の骨の内部の副鼻腔と呼ばれる空洞に細菌の感染を起こして膿がたまった状態です。数日から数週間で治るものを急性副鼻腔炎、3カ月以上続くものを慢性副鼻腔炎と呼んでいます。


〈急性副鼻腔炎の場合〉

 鼻づまりや膿性鼻汁とともに、痛みや発熱を伴うことがあります。ごく軽いものは症状を軽くする薬を使うだけで治ります。しかし症状が強いときには、抗生物質の飲み薬による治療を行います。


〈慢性副鼻腔炎の場合〉

 急性副鼻腔炎を繰り返したり、長引いたりすることで起こります。熱や痛みをあまり訴えず、鼻づまりや頭が重い感じなどが主な症状です。小学校の高学年ごろまでに自然に治ることが多いのですが、それまでは鼻の洗浄や吸入、飲み薬による治療を行うこともあります。抗生物質を長く使うときは、専門医の管理が必要です。


〈アレルギーによる場合〉

 気管支ぜんそくの症状を伴う場合や季節によって症状が強くなる場合には、アレルギーが原因かもしれません。治療に使える薬の種類が増え、子どもに合ったものを選ぶことで症状が軽くなることが多くなりました。アレルギーによる鼻づまりを心配したときには、かかりつけ医に相談してください。


熊本大学医学部附属病院
小児科
講師 中村公俊

 乳児期早期は鼻呼吸が主体なので、鼻づまりがあると哺乳や睡眠が十分にできずに機嫌が悪くなることがあります。気をつけてあげましょう。