【専門医に聞く 元気!の処方箋】
〜病気を防ぐ第1歩〜 疲労を取ろう
「なんだか疲れが抜けない」。新年度が始まって約1カ月、新たな環境での緊張が解けどっと疲れが出たり、急な気温の変化に体がついていかない感じがしたり…。心も体もお疲れモードという人も多いのではないでしょうか? もしそれが、「ちょっといつもと違う」という疲れなら、注意が必要です。 そこで今回は、病気にならないための疲労コントロールについてお伝えします。併せて、疲労が症状として出る病気の例も示しますので、参考にしてください。 |
主観的な疲労感 医師に伝える際は具体的に |
誰もが口にすることがある「疲れた〜」。ちょっとゆっくりすることで回復する疲れなら心配いりませんが、「休んでも疲労感が抜けない」「疲れて何もする気が起きない」「慢性的に疲労を感じている」という場合や、疲労感以外の症状を併せ持つ場合は、疲労の陰にほかの病気が隠れているかもしれません。 |
「どれならしなくてもいい?」「どれならしたい?」 頑張りすぎ、頑張れない、それぞれの人に… |
「疲労を回復する基本は、“適度な長さとリズムの整った睡眠”と“無理をしない”ことですが、実際には、頑張り過ぎて不調になっていると思われる方に『無理しないで、もう少し手を抜いてもいいんですよ』と言っても、『私は全然ちゃんとやれていない』と言われることがよくあります。まじめな方ほどその傾向が強いように感じます」と谷口先生。そういった方には、ご本人がしたい、またはしなくてはならないと思っていることを書き出してもらい、「あなたがしなくてもいいものはないか」について話し合い、過重になっている負担を外していくことを考えます。 |
「きつい」「だるい」は、多くの疾患に見られる症状 精神科や内科など幅広い領域に |
疲労を症状とした疾患で考えられるものには |
まとめ 疲労対策は十人十色 生活パターンを変えるのは自分で |
「内科的疾患がだるさ、きつさの原因である場合も、それによって気分が落ち込み、ますますしんどい…ということはよく起きること」と谷口先生は言います。また、精神的要因が体調に及ぼす度合いも人によって異なります。当然、疲労対策は人それぞれ。万人に当てはまるものがあるとはいえません。 |
今回教えてくださった先生 |
熊本大学医学部附属病院
総合診療部 谷口 純一講師 日本内科学会認定総合内科 専門医、指導医 |