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「あれんじ」 2012年3月3日号

【ママの心配・不安に応える 子育て応援クリニック】
こどもの目の異常

 子どもの目の異常は、本人が不快なだけでなく、将来の視力などにかかわる場合もあります。今回は、気をつけたい「子どもの目の異常」についてお伝えします。
 ものを見る能力は、5歳ごろまでの間にほぼ完成します。その間に目の異常が続くと視力の発達に影響することがあります。

目やに

 生まれて数週間の赤ちゃんでは、眼脂(がんし=目やに)が多くなることがあります。目から鼻に涙を流す鼻涙管が詰まっていると起こります。鼻の付け根のマッサージや目薬を使って治療します。


斜視

 両目でものを見たときに、片目の視線が別の方向に向いているときは斜視を考えます。目を動かす筋肉の異常、視力の異常などで起こります。目つきがおかしい、首を傾けるなどの異常から見つかることがあります。両目で見る能力の発達を妨げることがあるので、早く見つけて治療をすることが大切です。


結膜炎

 結膜炎は、感染やアレルギーなどによって結膜に炎症が起こり、白目やまぶたの裏側が赤く充血します。
 ウイルス性の結膜炎は伝染力が強いので、園や学校を休ませる、タオルを別にする、手洗いをするなどの注意が必要です。アレルギー性結膜炎は春や秋に症状が悪化することがあります。かゆみが強いときには目薬や内服薬が必要です。
 目が充血していると見た目も気になりますが、子どもが眼帯をつけると視力の発達に影響することがあります。眼科医の指示がなければ目を隠してはいけません。結膜炎は専門の治療が必要なことがあるので、眼科やかかりつけ医に相談してください。


熊本大学医学部附属病院
小児科
講師 中村公俊

 診察の時に目を開けてくれないこともよくあります。眼科医やかかりつけ医に相談するときには、携帯で撮った写真などを用意するとよいでしょう。